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Thursday, June 13, 2024

柴咲コウさん「最後のシーンは、新たな絶望の始まり」 14日公開の映画「蛇の道」を語る【詳報】:東京新聞 TOKYO ... - 東京新聞

 黒沢清監督の新作映画「蛇の道」(14日公開)でパリ在住のミステリアスな心療内科医、新島小夜子を演じる柴咲コウさん。作品への思いやフランスでの撮影、今後の活動などについて聞きました。その詳細をお伝えします。(石原真樹)
 
 何者かに娘を殺されたフランス人男性の復讐(ふくしゅう)に手を貸し、首謀者を見つけるために残虐な行為もやってのける小夜子。柴咲さんは「共感しかありません。大事なものが傷つけられ、憤りしか残らない気持ちは分かるから」と語ります。

映画「蛇の道」について語る柴咲コウさん

映画「蛇の道」について語る柴咲コウさん

 蛇の道 娘を殺され復讐に燃えるジャーナリストのアルベール(ダミアン・ボナール)は心療内科医である小夜子(柴咲)の協力を得て、殺害に関わったとみられる財団の幹部を拉致、監禁。関係者の名前を聞き出し、事件の背景にある事実に近づいてゆく。原案は香川照之と哀川翔が共演した1998年のVシネマ(ビデオ映画)。

◆黒沢監督とお仕事してみたかった

 ―復讐劇で、パリ在住の日本人女性という難役を引き受けた理由を教えてください。

「蛇の道」から ©2024 CINÉFRANCE STUDIOS–KADOKAWA  CORPORATION–TARANTULA

「蛇の道」から ©2024 CINÉFRANCE STUDIOS–KADOKAWA  CORPORATION–TARANTULA

 フランスには雑誌の取材で1週間ほど訪れたことがあり、今回この映画を引き受けたらフランスに長くいられるかなという不純な動機と、黒沢監督とお仕事をしてみたかったという2つがあります。以前の滞在では観光的なおしゃれなスポットを巡り、観光客気分を楽しめたのですが、もっと人間性や暮らしぶりなど、踏み込んだものが見てみたいなと思いました。
 
 自分の会社の名前もフランス語を使っていて(「レトロワグラース」、フランス語で「三美神」、3つの美の神の意味)、意識しているわけではないけれど惹(ひ)かれるものがありました。

 フランス語は半年くらい前からぽつぽつとレッスンを受け、(撮影が)始まる3か月前くらいにぎゅぎゅっと詰めた感じです。作品が、生活に根付いたヒューマンストリーではなくミステリアスな役柄だったのでやりやすかったところはあります。

◆主義主張するスタイル、私にぴったり

 ―フランス滞在や撮影はいかがでしたか。

 思っていたとおり、個人主義というと冷たく聞こえるかもしれませんが、ちゃんと主義主張をするというのは私の性格に合っていました(笑)。日本ではNOを言いづらかったりしますが、私は割とはっきり言ってしまって煙たがられるタイプで、それが向こうではきちんと断ったり「私は遠慮しておきます」と言いやすくて、生きやすかった。もちろん人の性格にもよりますが。

 撮影現場で感じたのは、しっかりご飯の時間を取ること。早く食べ終わったから早く用意しようではなく、食べ終わったら休憩して日なたぼっこしたりごろごろしたり。そこでディスカッションもします。

 人によりますが日本では、現場では現場の立ち居振る舞いをする、干渉をしない、相手がどういう生活をしているとか踏み込んではいけない感じがあります。フランスでは仕事以外の話もするし、コミュニケーションの場としてしっかり時間を取りますね。

 私の場合は言葉の壁があってそこまでしっかりできたかというと、そうではないですが、ちゃんと栄養を取り、休憩して、日の光を浴びて、胃を落ち着かせてからやりましょうというのはメリハリになりました。今回は日本の監督だったのでなかったようですが、昼にワインを飲む現場もあるそうです。

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