◆英語スピーキングテスト問題で3人造反、除名
東京都の小池百合子知事を支える都議会の「都民ファーストの会」の都議3人が7日、本会議の採決で公然と造反し、除名になった。今夏の参院選で都民ファが惨敗し、小池知事の求心力に陰りが見えて以降、会派内の締め付けは強まっている。くすぶる執行部への不満が造反につながった。除名により都民ファは27議席となり都議会第2会派を維持するが、衰退は免れない形だ。
「おかしいことを変えられないのは都民ファが目指してきた東京大改革に反する」。会派の方針に背き、野党の提案に賛成した桐山ひとみ、田之上郁子、米川大二郎の3氏は閉会後に取材に応じ、現在の体制に不満を漏らした。ともに行動してきた残り2人は、体調不良を理由に欠席した。
◆強引な候補者擁立「納得感が共有されないまま…まずかった」
地域政党の都民ファは7月の参院選で国政進出を狙い、小池知事の「妹分」と称される側近、荒木千陽・元都議を擁立。「東京にとどまっていては日本を変えられない」(荒木氏)と意気込み、計100万票を集めた昨夏の都議選の実績と小池知事人気を武器に、勝負になると踏んでいた。しかし、本拠地の東京選挙区で得られた票は、当選ラインの半数しかなかった。
ある所属都議は「荒木さんが強引に挑戦しようとする中、『みんなで担ごう』という納得感が共有されないまま選挙をやったのが、まずかった。参院選が終わりの始まりになったかもしれない」と明かす。
強引な擁立の経緯に若手らの不満が高まる中で持ち上がったのが、スピーキングテスト問題だった。会派方針を無視し、都教育委員会に再考を求めるなどした都議5人に、参院選後に発足した新執行部は「知事がやりたいんだ」として処分をちらつかせた。さらに、来年4月の統一地方選で選挙がある地元の区議に迷惑がかかる可能性もにおわせるなど、手練手管で説得を図ったが、3人を止められなかった。
党勢衰退の印象は拭えず、小池知事も都政運営で古巣の自民に頼らざるを得ない状況。都議会自民幹部は「もう分裂してくれた方がすっきりする」とほくそ笑む。
◆空中分解を避けるため締め付け強化→反発の悪循環
2017年に小池旋風に乗って発足した都民ファは、保守、革新双方の議員経験者や民間の経営者らさまざまな背景がある人物が寄り集まり、強固な政治信条でまとまってはいない。空中分解を避けるため、締め付けを強化せざるを得ないのが実情で、それが、所属議員の反発をさらに招くという悪循環に陥っている。(加藤健太)
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