ロシアの軍事侵攻からまもなく1年。 こちらは最前線に掘られたウクライナ軍の塹壕の内部の映像です。 その塹壕の中で兵士らは「ロシア軍の大規模攻撃がすでに始まっている」と番組の取材に答えました。
▽塹壕の兵士「大規模攻撃は先月下旬から」 (最前線のウクライナ兵 キヤンさん)「見えますか。」 ウクライナ軍の兵士、キヤンさん。案内してくれたのは、最前線に掘られた塹壕の中です。 「これは機関銃です。あちらに向けています。(雪が)溶け始めてドロドロです。」 塹壕を進んだ先に見えてきたのは… 「ここは、よりしっかりした避難場所。寝床もあり、天井は丸太で作られています。」 作戦の関係上、今いる地名は明かせませんが、直近まで東部の激戦地・バフムトで任務に就いていたと言います。 「先月下旬から、さらなる攻撃が始まりました。大量の歩兵、装甲車、軍用機を集結させ、24時間、1日最大20回の攻撃があります」 ウクライナ侵攻からまもなく1年。キヤンさんは、懸念されているロシア軍による大規模攻撃は、すでに始まっていると言います。 これは今月初めに公開された、バフムトでの戦闘の様子です。ウクライナ軍が対峙している相手は、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の戦闘員だと言います。 「行くぞ!」 ヘルメットに固定カメラを付けた兵士が塹壕を飛び出し、駆け出します。 「そっちへ行く!」 たどり着いた先も、また塹壕。 中には、多くのウクライナ軍の兵士の姿が―。バフムトでは、まさに一進一退の攻防が続いています。 「手榴弾だ。」
東部ドンバス地方の制圧を狙うロシア軍ですが、依然、ドネツク州の40%以上がウクライナの支配下にあります。実は、プーチン大統領は「3月末までの完全制圧」を指示したとされており、東部の要衝・バフムトの制圧が絶対条件なのです。ロシア側はそのバフムトにワグネルの戦闘員を集中的に投入しているとされます。 (最前線のウクライナ兵 キヤンさん)「(ワグネル戦闘員は)ほかの国では刑務所にいるような“殺し屋の集団”です。自分たちの命も、他人の命もお構いなしなのです。」 「ちょっと待ってください」 Q. それが捕虜にしたワグネル兵ですか? 「そうです。」 Q. ひとりが30代で、もうひとりが50代? 「そうです。これはバフムトですね。」 キヤンさんの部隊も、バフムトで、投降したワグネル兵を捕虜にしたと言います。これは実際にワグネル兵2人を連行して、尋問した際の映像です。 Q. 動員されたのか? (尋問されるワグネル兵)「訓練所から連れてこられた」 Q. あなたたちの任務は? 「救出です」 Q. 誰の救出? 「『死亡したり負傷した兵』と言われた」 (最前線のウクライナ兵 キヤンさん)「ワグネル兵は死んでもまた入ってくる。彼らは奴隷で決まった日までにバフムトを制圧しなければならない。(ロシア側の)人数は10倍以上で多くの大砲、航空機、戦車がある。」
ウクライナ側は春に攻勢をかけるとの見方がありますが、カギを握るのは、西側から供与される武器です。これはウクライナ軍が使う旧ソ連製のヘリ。 (CNN記者)「このソビエト時代のヘリは30年前のもので、非常に攻撃されやすい。木より低空で飛ばないといけません。高度を上げ下げしながら進みます。」 ウクライナが求める武器供与。ドイツ製の主力戦車「レオパルト2」などの供与は決まり、ポーランドで訓練が始まっています。 (“ジョージア部隊”マムカ司令官)「残念なことにウクライナには最新鋭の戦車が足りない。兵士の訓練が終わり、前線の状況が変わることを期待している。」 ウクライナ軍と共に最前線バフムトで戦う「ジョージア部隊」の司令官。ウクライナ最大の外国人部隊で、ロシアがクリミア半島を一方的に併合した2014年から東部戦線に参加しています。 (“ジョージア部隊”マムカ司令官)「日本人を含め、約30カ国以上から集まっています。ウクライナの主権と民主主義のために戦っています」 マムカ司令官が今、必要なものとして挙げたのは… 「最も必要なのは防空システムだ。攻撃目標はキーウだろう。ロシアは弾道ミサイルを用意し、ベラルーシ国境に歩兵を準備している。」 ロシア軍が再び首都キーウを標的にすると警戒します。 「2月23日、24日あたりに攻撃しようとしている。ウクライナには迎撃するための十分な兵器がない。早く勝利するため 西側が必要なものを送ってくれることを願っています」
2月19日『サンデーステーション』より
(C) CABLE NEWS NETWORK 2023
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