鋼の信念で一番星をつかんだ。楽天ドラフト1位の早川隆久投手(22)が、プロ初登板、初先発で6回4安打8奪三振無失点と好投。今季の新人最速でプロ初勝利を挙げた。

開幕カードでの新人初登板初勝利は球団史上初。幼少期から培った両親、恩師の教えを土台に、自らの意思と周囲の支えを乗せた。雨中の本拠地で強じんな精神力を披露し、力強く道を切り開いた。

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早川は一切の隙を見せなかった。初回から直球、カットボール、スライダー、チェンジアップ、カーブとツーシーム以外の持ち球を全て投じた。4回無死満塁の大ピンチも、打者3人に対し、投じた球種を全て駆使し切り抜けた。全104球中、1桁台の球数の球種はなし。「真っすぐと同じ軌道から、曲げたり落としたりというのは考えていたので、それができて結果に結びつきました」。抜群の制球力をベースに、偏りなく白球を操った。

修正力も光った。プレート板の踏み位置をこれまでの真ん中から一塁側へ変え、実戦では初めて試みた。前回登板の21日、巨人とのオープン戦では5回途中5失点。プレートの真ん中を踏む田中将のブルペン投球を目にし、助言を仰ぎ、自ら考え変更を決断し「打者から見て角度は変わったと思う」と即、結果につなげた。

前日27日の夜は「エラーして負けるのは後悔が残るので」とグラブを磨き就寝。大学時代は試合前日に10項目、当日に15項目あったルーティンもプロ仕様に減らした。「この1勝が、やっと新しいキャリアの始まり。今後長いキャリアの中でしっかり積み重ねていければ」とかみしめた。

◆早川隆久(はやかわ・たかひさ)1998年(平10)7月6日、千葉・横芝光町出身。上堺小1年からソフトボールを始め、横芝中では軟式野球部。木更津総合で春、夏3度甲子園に出場し、3年春、夏に8強。早大では4年秋に6勝0敗、防御率0・39でベストナインを獲得。主将としてリーグ優勝に貢献した。20年ドラフトで4球団から指名され楽天に入団。180センチ、77キロ。左投げ左打ち。

▽楽天石井GM兼監督(早川に) ルーキーという感じの呼び方ではないピッチング、マウンドさばき、しぐさがプロでしっかりと何年かやってるような感じ。落ち着き払って素晴らしいピッチングでした。

▽木更津総合・五島卓道監督(教え子の早川のプロ初勝利に) 本当に立派な投手になったね。もう高校1年の時に外野手をやっていた早川とは全然違いますね。ずうずうしさも彼の持ち味ですからね(笑い)。大学に行ってから、僕らは応援団。これを契機に貪欲に頑張って、プロでお金を稼げるような選手になってほしいね。

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