- 2020/06/04
- 増田満
街で右ミラーだけで走行している原付を見かけることが多々ある。またカスタムしたバイクでも右にしかミラーがなかったりする。でもこれって違反なんじゃないだろうか? ただ、古いモデルだと右だけでOKという説もある。実際のところどうなのか、改めて考えてみた。
筆者が写真のベスパを手に入れたのは2000年になるかならないか、という頃のこと。イタリア本国では販売を終了していたスモールボディが日本向けにだけ生産を継続したものの、それすら終わり新車がなくなるタイミングだった。
そう、手に入れたのは新車のET3。だから純正のままの姿なわけで、その時からミラーは右にしかついていなかった。若干の不安を覚えつつナンバーを付けて走り出したのだが。
白バイ隊員の指示に従ってベスパを左の路肩へ寄せる。そこへやってきた白バイ隊員は「ここ40km/h道路だけどずいぶん飛ばしていたね」と。はい、スピード違反でした。
そうなのだ、白バイ隊員はET3の左直後に張り付いても運転手には見えないと分かっているから、こっそりと追尾して速度を測定したのだ。これは一生の不覚。
ある時期までの、と限定付きで右ミラーだけで良いと書いた。では、いつまでの原付ならOKなのか。そこで調べてみると、平成18年12月31日以前に生産されたモデルであれば大丈夫ということが判明した。
わかりにくい言葉が羅列されているが、要するに現行の原動機付自転車は左右、外側線上後方50メートルまでが確認できるミラーが装備されていないといけない。だが、平成18年12月31日以前に造られた原動機付自転車には適用されない、と書かれているのだ。
例えばホンダ・スーパーカブC100でもそうなっているし、他メーカーの原動機付自転車でも同じことだ。
これは道交法うんぬんではなく、おそらく豪華さを狙った装備だろう。ちなみにこの当時、すでに50や90の通常モデルにも左ミラーがオプション設定されていた。やはり左ミラーが欲しいという要望が少なくなかったのだろう。
ホンダ発表の写真を探していて、スーパーカブシリーズの50、70、90問わず左ミラーが標準で装備されたのは、どうやら1991年の写真のモデルからのようだ。意外に最近のことと言えるだろう。
法規的には平成18年、つまり2008年生産モデルまでは左ミラーが必要なかった。だから写真のスーパーカブにも本来なら左ミラーは不要。ただ、そこはメーカーの良心なのだろう。例えばこの時期のスーパーカブを中古で買って、後から左ミラーを外しても法律的には問題にならない。
というわけで、筆者のベスパET3も右にしかミラーが装備されないのは当然のこと。では、このことを裏付けてくれる右ミラーだけのモデルを探してみた。
とはいえ、左ミラーがなくて速度超過を取り締まられては話にならない。しかも一般道ならクルマと同じ60キロまでスピードを出して良い原付2種に乗っているのだから、ここはしっかり左ミラーを装備しよう。転ばぬ先の杖というところだ。
ただ、ご覧のようにブ厚いステーまで必要なので、結構な重さがある。ただでさえ遅いベスパなのだから、あまり重くしたくはないのだが背に腹は変えられない。
左ミラーを装着して数年経つが、あれ以来白バイ隊員のお世話にはなっていない。やはり左後方がしっかり目視できると安心できる。新車で装備されていなくても、追加装備を推奨するぞ。
ちなみに法律では取付けが不確実、鏡面に著しい歪み、くもりやヒビ割れがあるミラーだと基準に適合しないとある。つまり、ミラーなら付いていればイイんでしょ、という言い訳は通用しない。おそらく整備不良で切符を切られるだろうから、ご用心いただきたい。
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June 04, 2020 at 03:01AM
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