三菱重工業長崎造船所で働いていた下請け会社の元従業員などが、じん肺になったのは粉じんを防ぐ対策を怠ったためだなどと主張して親会社の三菱重工業に損害賠償を求めている裁判の２審が、福岡高等裁判所で始まりました。
長崎市の三菱重工業長崎造船所で働いていた下請け会社の元従業員など３人は、じん肺になったのは作業所などでの粉じんを防ぐ安全対策を怠ったためだなどと主張して親会社の三菱重工業に対し、損害賠償として１人あたり３５２０万円、あわせて１億５６０万円の支払いを求めています。
１審の長崎地方裁判所は原告２人に対して会社側の責任を認め、あわせて１５００万円あまりの支払いを命じた一方、もう１人の元従業員についてはすでに時効が成立しているとして請求を棄却し、原告側と被告側の双方が判決を不服として控訴していました。
２１日、福岡高等裁判所で２審の裁判が始まり、原告側の弁護士が「長年働いた原告らが粉じんなどにさらされたのは明らかです。被告の安全配慮義務違反は明白で、原告らに対し謝罪し償わなければなりません」と意見陳述しました。
一方、被告側は原告の訴えを退けるよう主張しています。
長崎造船所でのじん肺訴訟をめぐっては、これまでに４件の裁判が起こされ、今回を含めて２件の裁判が続いてます。
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