イベントの運営について意見を出し合う薩摩川内市の男女共同参画推進実行委員=2022年11月30日、同市のSSプラザせんだい
同市コミュニティ課の松田明美担当課長(54)は「男女共同参画は人の意識に関わる分野。行政として市民を巻き込み、若い世代への啓発や女性の人材育成など地道な取り組みをしている」と説明する。
南日本新聞が全43市町村に実施したアンケートでも、男女共同参画関係の事業として基本計画の策定管理や審議会の開催、市民向けの啓発広報を挙げる自治体が多かった。
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1999年施行の男女共同参画社会基本法で、自治体は法の基本理念の「男女共同参画の視点」に基づく行政が責務とされた。担当部署は庁内の全ての施策にその視点を通すための調整が求められている。
鹿児島市男女共同参画推進課は2022年度から、市役所の他局に出向いて審議会への女性委員登用を呼びかけている。同市は21年度の女性委員の割合が36.1%で、目標の40%に届かなかった。重久直子課長(54)は「職位によらない委員選定や公募採用といった具体策を提案している」と話す。
南九州市は各課に庁内推進員を配置。市男女共同参画基本計画に関係する事業評価時期には毎年、推進員向けの研修会を開いている。どの課の職員も男女共同参画の視点で事業評価できるようにする狙いだ。
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ただ、役所内で男女共同参画の意識が十分深まっているとは言えない。ある市の男性職員は「思想や考え方の一つと捉えられている」と庁内で軽視されている実情を明かす。
県内で専任の課、室があるのは鹿児島、鹿屋、姶良、南大隅の4市町にとどまる。多くの自治体は企画課や市民課などの職員が他の業務と兼務する。16市町村は担当者が1人しかいない。南日本新聞のアンケートでは「担当の取り組みだけでは困難」といった声が上がった。
県男女共同参画審議会のたもつゆかり会長(70)は「全庁的な調整を担うには高度な力量が必要」と担当の手薄さを指摘。「政策課題が複雑多様化する中で、全ての施策に男女共同参画の視点を通わせることが人権尊重の深化につながる」と話した。
(連載「役所平等ですか? かごしま変わる自治体」より)
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