ロシアが制圧したウクライナ南部のザポリッジャ原子力発電所について、現地に視察に入っている国際原子力機関(IAEA)は3日、欧州最大のこの原発とウクライナの電源網をつなぐ送電線がまたしても遮断され、電力供給を予備の送電線に頼っていると明らかにした。
IAEAの発表によると、視察団がザポリッジャ原発に1日に到着した後、現地のウクライナ人技術者幹部から、4本ある送電線のうち最後の4本目が遮断したと伝えられた。4本のうち3本はこれに先立ち、戦闘によって損傷したという。ただし、近くの火力発電所と原発を結ぶ予備の送電線が稼働しており、これを通じて必要に応じて火力発電所から予備電源を原発に送ることができると説明を受けたという。
これについてロシア政府が任命した現地行政当局は、今回の送電線遮断は、砲撃に伴う「技術的な問題」が原因だとしている。
IAEAはさらに、8月25日にも主要送電線が一時的に遮断したことを確認した。
これとは別に、ウクライナの国営原子力企業「エネルゴアトム」は、ザポリッジャ原発にある原子炉6基のうち、稼働しているのは1基のみだと明らかにした。5号機を停止したのは「ロシアの占領軍による絶え間ない砲撃」が原因だとしている。
これについてロシア側はコメントしていない。
他方、ザポリッジャ原発についてロシア国防省は3日の定例会見で、ウクライナ軍が原発の奪還を目指し、2日深夜に近くの湖岸に上陸しようとしたが、ロシア軍がこれを押し返し、作戦を阻止したのだと発表した。国防省はこれについて客観的証拠を提示せず、その主張の内容は検証できていない。
ザポリッジャ原発の状況についてはウクライナとロシアの双方が、相手が原発周辺で戦闘行為を続けていると非難している。
状況を懸念するIAEAの視察団は1日、ウクライナ南部エネルホダルにある原発に入った。IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、原発施設の保安状況が「複数回にわたり侵害された」と述べた。視察団のうち2人は今後、無期限で常駐する方針。
からの記事と詳細 ( ウクライナ・ザポリッジャ原発、外部電源との接続は予備の送電線のみに=IAEA - BBCニュース )
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