岐阜県関市上之保明ケ島地区で茶畑の再生に取り組む市内のまちづくり会社が、茶の実を搾った油を使い、保湿クリームを商品化した。津保川沿いの上之保地域は津保茶の産地で知られているが、高齢化などで生産農家が年々減少。茶の実ができるまで手入れされなくなった茶畑に目を付け、実を生かした付加価値のある商品に仕上げた。
取り組んでいるのは、関市下之保の古民家でコワーキングカフェ「おくど」を営む合同会社「地域と協力の向こう側」代表の中田誠志さん(45)。明ケ島地区の住民から相談を受け、地元の元茶農家の長尾喜佐夫さん(85)から指導を受けながら、2年前から荒れた茶畑の再生に取り組んでいる。
茶の実が収穫できるのは、中田さんが管理する茶畑約300坪の一部。茶畑を再生するには、刈り込みを定期的に繰り返すなど2年近くかかり、時間と手間を要する。一方、茶の実がなるのは手入れされていない茶畑のみ。荒れた茶畑にできる実の価値に着目し、昨年から試作を重ねてきた。
クリームの成分は、茶の実油とミツロウのみ。今年は5グラム入りの商品を145個製造し、カフェで販売する。中田さんは「アレルギーなどで使えるクリームがなく困っているという声から試作が始まった。少しでも安心して使ってもらえたら」と話す。
津保茶の収穫も2年目を迎えた。今年は130キロ分を収穫し、茶の産地の加茂郡白川町で製茶した。津保茶はバランスの良い渋みと甘みが特徴で、中田さんは「オーガニックに関心のあるママ友グループを中心に人気がある」と力を込める。
5月7日には、茶摘み体験のイベントも開催。市外から家族連れが訪れ、茶摘みを楽しんだ。参加した小学5年生(11)=岐阜市=は「学校でお茶の授業があったので、やってみたかった。楽しかった」と笑顔。長尾さんも「若い人が茶の栽培に関わってくれるのはうれしい」と話していた。
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