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Wednesday, January 26, 2022

コロナ足止め2年…ビザ泣き別れ ソロモン親子、息子のみ出国 - 中日新聞

出発するバナバス・ヌヌさん(左)を見送る母イザベル・トシアさん=26日午前、愛知県常滑市の中部国際空港で

出発するバナバス・ヌヌさん(左)を見送る母イザベル・トシアさん=26日午前、愛知県常滑市の中部国際空港で

 家族をみとりにソロモン諸島から来日したが、新型コロナウイルスの影響で愛知県豊橋市に二年間、足止めされていたイザベル・トシアさん(72)と、息子バナバス・ヌヌさん(38)のうち、バナバスさんのみ二十六日に中部国際空港(同県常滑市)から出国した。経由地のオーストラリアのビザがバナバスさんの分しか下りず、イザベルさんは日本に残った。 (昆野夏子)

 親子は午前六時ごろ、車で豊橋市を出発。空港に着いたが、午前十時二十分発のシンガポール行きの便の出発までにイザベルさんのビザが下りなかった。二人は昨年末に同時に申請し、手続きに不備はないとみられるが、イザベルさんだけ足止めされる形となった。

 イザベルさんは「きっと私も追い掛けるから。先にソロモンに帰って」と息子を見送り、バナバスさんは「バイバイ。また来るね」と手を振り、出国ゲートをくぐった。その姿が見えなくなった後、イザベルさんは大粒の涙を流し「なぜ…」と繰り返した。

 ただ離陸後にイザベルさんのビザが発給され、イザベルさんは他の便での出国を目指す。バナバスさんは二十六日夕にシンガポールに到着後、同日深夜発のオーストラリア行きの便に乗り換える。二十八日に政府のチャーター便に搭乗し、ソロモン諸島に向かう。

 親子は、イザベルさんの娘で二〇二〇年五月にがんで亡くなった白藤シンデレラさん=当時(34)=に会うため、同年二月に来日。ソロモン政府は帰国条件にワクチンの二回接種を求めたが、観光ビザで入国した親子は一年以上、日本での接種対象から外れた上、経由国のロックダウンなどで帰国できずにいた。だがソロモン政府が昨年十一月に入国制限を緩和。二人は周囲の協力を得て、倍率の高い航空券を入手していた。 

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