東日本大震災と原発事故の教訓を伝える福島県初の震災遺構となった浪江町の請戸小学校で、24日から一般公開が始まりました。
浪江町の請戸小学校は、10年前の震災の津波で大きな被害を受け、子どもたちは高台に逃げて無事でしたが、その後の原発事故で全国に避難を余儀なくされました。
町は福島県内で初めてとなる震災遺構として、24日から一般公開を始め、それに先立って行われた式典では、震災当時6年生だった横山和佳奈さんが「震災と原発事故から10年以上が経過し、震災前の日常の記憶が少しずつ薄れている自覚があります。請戸小学校には震災の教訓を伝える伝承施設であるとともに、地元の人がまた、集まれる場所になってほしい」とあいさつしました。
津波で浸水した1階部分は、ぼろぼろになった教室の壁や床、泥だらけのオルガンなどがそのままに保存されているほか、体育館には2週間後に予定されていた卒業式の横断幕がかかげられたままになっています。
また、2階には原発事故による避難指示で行方不明者の捜索が困難になったことなどを説明するパネルや、避難先から訪れた卒業生たちがメッセージを残した黒板などが展示されています。
公開初日の24日は地元の人などが訪れ、校舎の姿を思い思いに眺めていました。
【訪れた人たちは】
福島県葛尾村から子どもと一緒に請戸小学校を訪れた、37歳の男性は「実際に見て津波の被害の大きさに圧倒されました。請戸小学校は、全国の子どもたちが災害の教訓を学べる場所になってほしいです」と話していました。
また、原発事故の後、小学校のある請戸地区から福島市に避難した17歳の男子高校生は「震災当時は幼稚園の年長で、記憶があまり残っていませんが、その年に入学予定だった請戸小学校に来てみて、津波でここまで大きな被害を受けていたことに驚きました。この現状を多くの人に知ってほしいと思いました」と話していました。
また、震災当時請戸小学校の6年生だった男性は「きょうの一般公開では原発事故で離ればなれになった同級生たちとも再会することができてうれしかったです。請戸小学校には自分たちの仲間が集まって思い出を語れるような場所になってほしいです」と話していました。
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