駐留するアメリカ軍が年内に戦闘任務を終える、中東のイラクで、国民議会選挙の投票が日本時間の10日午後から始まりました。アメリカの関与が弱まる中で、安定した政権を樹立し、治安の改善などを図っていけるかが焦点です。
イラクの国民議会選挙には329の議席に3200人余りが立候補していて、現地時間の10日午前7時、日本時間の10日午後1時から投票が始まりました。
過激派組織IS=イスラミックステートのテロなどを警戒して、全土で治安部隊およそ25万人が動員され、北部のアルビルでも厳重な警備体制のもと、有権者が一票を投じていました。
イラクでは、ISの掃討作戦のため駐留してきたアメリカ軍が、年内に戦闘任務を終え、今後はイラク軍の訓練などが任務の中心となりますが、治安が依然として不安定なことから、アメリカ軍の駐留継続の是非が選挙の争点のひとつとなっています。
また、隣国イランの支援を受ける民兵組織によるとみられる、アメリカ軍基地などをねらった攻撃が相次ぐ中、イランとどのような関係を築くかも課題となっていて、今回の選挙で安定した政権を樹立し、治安の改善などを図っていけるかが焦点です。
投票は現地時間の午後6時、日本時間の11日午前0時に締め切られ、開票作業が始められますが、大勢が判明するまで数日かかる見通しです。
投票所を訪れた人たちは
男性の1人は「変化を求めたい。腐敗した古い政治家には残ってほしくない」としたうえで「アメリカ軍の撤退は、国民にとって大きな問題だ。イランがその状況を利用することになるだろう」と述べ、アメリカ軍が年内に戦闘任務を終えたあとの治安の維持に懸念を示していました。
一方、別の男性は「どの外国部隊も出ていくべきだ。イラク国民と政府は、大国を信じてはならない。国民を信頼すべきだ」と述べ、イラクが自立して治安の維持を図るべきだと強調していました。
そのうえで「アフガニスタンのようにならないことを願っている。混乱の道を避けられるかどうかは、私たち次第だ」と話していました。
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