ほとんど経験のない現代劇で、初めての男性の役――。歌舞伎の女形として成長著しい中村壱太郎(かずたろう)が、6月にあった舞台「夜は短し歩けよ乙女」で主演を演じきった。大役を終えたいま、何を感じ取ったのか。
壱太郎演じる大学生の「先輩」は、同じクラブの後輩「黒髪の乙女」(久保史緒里)に恋をする。偶然を装って話しかけるなど、「なるべく彼女の目に留まるようにする作戦」(ナカメ作戦)をけなげに実行するなか、2人は奇妙な騒動に巻き込まれていく。
現代の京都を舞台にしながらも、そこかしこにファンタジーの要素がちりばめられた物語。森見登美彦の人気小説を原作に、京都拠点の劇団「ヨーロッパ企画」代表の上田誠が脚本・演出を手がけた。
記事の後半では、壱太郎さんの今の実感や京都への思いが書かれています。
とにかく全てが未知なる世界だった。宣伝用の撮影の時、用意された衣装を着ると「普段の格好のような自分」がそこにいた。歌舞伎の時のように顔を白く塗ることもなければ、かつらも着物もない。「そんな格好で公の場に出たことがなくて。役が落ちてくるまでにかなり時間がかかった……」と笑う。「身にまとっていない怖さをどれだけ打破できるかの勝負でもあった」という。
1カ月に及んだ稽古も戸惑い…
この記事は有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。
残り:740文字/全文:1242文字
からの記事と詳細 ( 始まりはいつも京都 歌舞伎の中村壱太郎、新たな舞台へ - 朝日新聞デジタル )
https://ift.tt/3CcnoS9
No comments:
Post a Comment