存在してはならないはずの星(理論上は)。 ポツダム大学所属の宇宙物理学者・Lidia Oskinova博士ほか4名の科学者たちが、これまで観測されたことのないまったく新しいタイプの天体を発見したと学術誌『Astronomy & Astrophysics』で報告しています。 破滅的でしかないと思われていた超新星爆発が、じつは新しい天体の誕生に寄与していたかもしれないとのこと。宇宙ってほんと奥が深い!
超新星爆発にいたるまで
2019年に発見されたIRAS 00500+6713星雲は、ふたつの白色矮星から成る連星系の超新星爆発(Ia型超新星)の名残りだと考えられていました。 「連星」とはふたつ、もしくはそれ以上の恒星が重力で引きつけ合い、お互いのまわりを回り合っているシステムです。宇宙では太陽のように孤立した星のほうがめずらしく、恒星の半数以上が連星系なんだとか。 Ia型超新星爆発にいたるまでの経緯はこうです。まず、連星のうち大きいほう(主星)が年老いて赤色巨星となります。すると主星のガスが徐々に宇宙空間にはぎ取られていって惑星状星雲を形成すると同時に、主星そのものは白色矮星にちぢんでしまいます。するとやがて小さいほう(伴星)も赤色巨星になってガスをばらまき始めるのですが、そのガスの一部が主星へと流れこむと質量転移が起こります。ここまでくるともう超新星爆発の一歩手前。伴星から主星へ流れ込んだ物質が降着して熱され、核融合が開始される温度を超えると、熱暴走が起こって一気に大爆発が起きます。主星は粉々に砕け散り、伴星は激しい衝撃波によって吹き飛ばされてしまうことも。 IRAS 00500+6713もこのような運命をたどったと考えられているのですが、奇妙なことに、主星は完全に破壊されないまま残りました。それどころか、これまで観測されたことのない新しいタイプの天体へと変貌を遂げていたらしいことがわかったのです。 直接研究には携わっていないカリフォルニア大学サンタクルーズ校の理論宇宙物理学者・Josiah Shwab氏いわく、この発見は「超新星爆発を起こした天体が完全には崩壊しないシナリオもあることを裏付けるエビデンス」だと説明しています。では、その新しいタイプの天体ってどんなものなんでしょうか?
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