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Monday, December 28, 2020

【2020年ウォッチ】「ゴーン逃亡」で始まり、新型コロナで延期の “五輪イヤー” - レスポンス

「世界感染8000万人超」---。新型コロナウイルスの感染拡大に翻弄された2020年(令和2年)もいよいよ大つごもりを迎える。世界中の誰もがまったく予想もしなかったマスクに手洗い、消毒液に検温、そして今年の世相を映す漢字や新語・流行語大賞にも選ばれた「3密」を避けての「新たな日常」の繰り返し。今では、大人数で会食し、満員御礼のコンサートやスポーツ観戦など、コロナ前の生活が遠い過去になっている。

●ニュースランキング

そんな特別な毎日に明け暮れた1年が幕を閉じるが、読売新聞の読者が投票で決める年末恒例の今年の「日本10大ニュース」をみても、新型コロナに関連する出来事が上位を占めた。言うまでもなく断トツの1位は「新型コロナ感染拡大、緊急事態宣言発令」。2位も苦渋の決断で1年後に持ち越された「東京五輪・パラリンピックの延期」、そして5位には、NHKの人気朝ドラ「エール」にも出演していた「志村けんさんが新型コロナで死亡」、7位がオンライン授業も行われた「新型コロナで政府が全国小中高の休校要請」。さらに、8位には史上初の「高校野球が春夏中止。プロスポーツ界でも延期や中止相次ぐ」が選ばれていた。

コロナ以外では、感染拡大が止まらない中でも観光支援事業「GoToトラベル」の迷走などで、政権発足後わずか3か月で支持率が急降下した「菅首相誕生、新内閣が発足」(3位)や「桜を見る会」前日の夕食会を巡り、国会で除夜の鐘よりも多い118回も虚偽の答弁を繰り返しながらも嫌疑不十分で不起訴となり、議員に居座り続ける「安倍首相、持病悪化を理由に辞任表明」(4位)のほか、コンテンツ事業へ変貌するソニーの過去最高益にも貢献した「アニメ映画『鬼滅の刃』、国内最速で興行収入100 億円突破」(6位)、そして「将棋の藤井聡太七段が最年少タイトル」(9位)、「九州豪雨、死者77人」(10位)がベスト10に入った。

また、圏外の30位内には、「『あおり運転罪』創設」(13位)、「GDP年率換算27.8%減、戦後最大の下落」(19位),「スマホ5G時代本格化、アップルなど各社が対応機種発売」(21位)のほか、「山手線49年ぶり新駅『高輪ゲートウェイ駅』開業」と「としまえん閉園」(27位)、さらに「東証システム障害で売買終日停止」(30位)などが目を引く。
1月8日、ベイルートで記者会見を開催したゴーン被告1月8日、ベイルートで記者会見を開催したゴーン被告
●まるでスパイ映画、大胆不敵な国外逃亡

もっとも、これらの出来事が今年のいつ頃に起きたのかと、はっきり覚えている人がどれくらいいるだろうか。加齢のせいなのか、それとも “コロナ疲れ”なのかはともかく、自分自身は記憶がぼんやりしてほとんど正確に答えられない。しかし、新年早々に元日(1月1日付)の新聞各紙の1面や社会面を飾った耳を疑うようなあのニュースだけは、あまりにも衝撃的で忘れられない事件だった。

ちょうど1年前の押し詰まった除夜の鐘が鳴り響く前に、会社法違反などで起訴された日産自動車前会長のカルロス・ゴーン被告が、保釈中の渡航禁止の条件に違反して楽器ケースに隠れて、関西空港から無断で日本を脱出し、祖国の中東レバノンに入国したという。読売の10大ニュースでも「不法出国容疑でゴーン被告に逮捕状」が15位に入ったが、新型コロナが猛威を振るわなければベスト10の上位にランクインしても不思議ではない仰天ニュースだ。

その中国・武漢が震源とされる新型コロナ(当初は新型肺炎)のニュースだが、年が明けて「春の七草」(1月7日)を過ぎた頃まではまだ日本に伝わって来なかったので、“五輪イヤー”を祝う「令和」最初の新年をワクワク気分で迎えるつもりだった人も多かったことだろう。ところが、人気スパイ映画『007』のお株を奪うような大胆不敵のゴーン被告の逃亡劇が伝わると世の間は騒然、食傷気味で下火になっていた「ゴーン事件」が、再び脚光を浴びるようになった。

今後の裁判に影響する可能性も大きいからだが、結局、ゴーン被告を巡る裁判は「主役不在」のまま、コロナの影響も重なってレバノン逃亡から約9カ月が過ぎた9月中旬から、東京地裁で共犯の日産元役員のグレッグ・ケリー被告の公判が続いている。さらに、横浜地裁では、11月から日産がゴーン被告に約100億円の損害賠償を求めた裁判も始まっており、「不法行為」が立証されるか、それとも沙汰やみになるのか、年明けの公判の行方に注目したい。8月31日、としまえん閉園。機械遺産の回転木馬、としまえんカルーセルエルドラド8月31日、としまえん閉園。機械遺産の回転木馬、としまえんカルーセルエルドラド

2020年ウォッチ
【1】「ゴーン逃亡」で始まり、新型コロナで延期の “五輪イヤー”
【2】コロナで明暗が分かれた決算発表---危機を脱したトヨタ
【3】日米の政権交代で加速する脱炭素化、日本も30年半ばすべて電動車

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