<米CDC、発症前にレストランなどで食事をしたと答えた人の割合は、陽性者のほうがずっと多いという研究を発表>
新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、米疾病対策センター(CDC)が11日、新たな研究を発表した。症状が出て検査を受けて、陽性だった人と陰性だった人を比べると、発症前に外食をしていたかどうかに大きな差があるという。
CDCは7月1〜29日にアメリカ国内の11の医療機関で検査を受けた外来患者(いずれも症状あり)に対し、聞き取り調査を行った。そして新型コロナウイルスの陽性判定を受けた154人と、陰性だった160人の計314人について分析を行った。
マスクを付けるなど、人前では常に顔を覆っていた人の割合は、陽性の人(71%)も陰性の人(74%)もあまり違いがなかった。ところが判定前の14日間の間にレストランなどで外食した人の割合は、陽性の人では41%と、陰性の人(28%)を大きく上回ったのだ(飲食した場所が戸外だったか屋内だったかは不問)。
ちなみに発症前の2週間に買い物に出かけた人は陽性でも陰性でも80%を超え、他の人の家を訪問したと答えた人もそれぞれ約半数に及んだ。
また、スポーツジムや理美容院に足を運んだ人の割合も、陽性であれ陰性であれあまり変わらなかった。
他の陽性者の濃厚接触者だった割合は、陽性の人では42%、陰性の人では14%と大きな差が付いたが、その約半分は家族との接触だった。
客のマスクと店の対策の両方が必要
今回の研究を手がけた専門家らはこの結果について、飲食のためにマスクを外す必要がある場所では感染が起きやすいことを示唆しているという。
社会生活が元に戻りつつある中で「その場で飲食ができる店においては、客や従業員、コミュニティを守るため、ウイルスにさらされる可能性を減らす対策が検討されるべきだ」と研究者たちは説く。
もっとも今回の研究では、陽性患者群と陰性患者群の間で年齢や性別を揃えることができなかった。基準に合わず分析対象にできなかった患者もいれば、調査への参加や回答を拒否する患者もいたためだ。
また、患者たちは自分の検査結果を承知しており、それが「外出先や濃厚接触に関する質問への答えに影響を与えた可能性がある」という。
(翻訳:村井裕美)
<参考記事>感染再拡大のスウェーデン、対策主導の疫学者がマスクの効果を疑問視
<参考記事>ドイツ人 マスク嫌いすぎで小売業がピンチ
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