木の枝のように見える昆虫「ナナフシモドキ」の雄が山口県周南市で確認された。交尾せずに雌だけで子孫を残すことができるため、雄は極めて珍しく、全国で十数例しか確認されていない。寄贈を受けた下関市豊田町の市立自然史博物館「豊田ホタルの里ミュージアム」では現在、雄と雌を展示しており、それぞれが動き回る貴重な姿が観察できる。
同館によると、ナナフシモドキは本州や九州など広く生息し、雄は雌と比べて体が一回り小さい。触角が太く長いことや、胸の横にある青い筋が特徴だ。まれに雌と交尾するという。
発見したのは、昆虫採集が趣味の周南市の主婦、仲野左弥華さん(35)。4月下旬に同市の永源山公園を散歩中、ソメイヨシノの葉の裏に2、3センチのナナフシモドキの幼虫3匹を見つけ、家で飼育していた。仲野さんは「食べているときの仕草が可愛いし、長い足を器用に使って飼育ケースの壁面を登るのもすごい」と話す。1匹だけ成長が遅く、6月20日にようやく羽化したが形や大きさが異なり、豊田ホタルの里ミュージアムを通じて専門家に確認したところ、雄と判明した。「羽化したときに『これ雄や』と思って、びっくりしました」と仲野さん。貴重な雄が生きている様子を多くの人に見てもらおうと、同館に寄贈した。
同館学芸員の川野敬介さんは「雌だけで生殖ができるのに、雄がまれに出てきたときに繁殖ができるというのも不思議。運が良ければ、交尾が見られるかもしれません」と話す。仲野さんは「身近なことでも意外と知らないことが多い。どんな風に動いたり、食べたりするのか観察して楽しんでもらえれば」と話した。
今後の展示期間は生体の様子を見て判断する。問い合わせは、豊田ホタルの里ミュージアム(083・767・0350)。【佐藤緑平】
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June 29, 2020 at 07:43PM
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ナナフシモドキ 珍しい「雄」確認 全国で十数例のみ - 毎日新聞 - 毎日新聞
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