かつて、プロ御用達として絶大な支持を獲得した「That's」ブランド。その実力を彷彿とさせる高音質・高信頼性を実現したディスクがRitekから登場し、注目を集めている。商品名は「Ritek Professional with“CG”Technology」、略称「Ritek Pro“CG”」だ。
BtoBカスタマーからの数々の厳しい条件をクリアし、That's亡き後、代替商品を手にすることをあきらめかけていた心に再び希望の火を灯し、「早く音をチェックしてみたい」(レコーディングエンジニア)、「いつから購入できるのか」(マスタリングエンジニア)、「早く使いたい」(レコーディングディレクター)など、大きな期待の声が次々に寄せられている。BtoCを含めた今後の展開が注目されるところだが、果たして「Ritek Pro“CG”」を世に送り出した“Ritek”とはどのような会社なのだろうか。
「Ritek Corporation」は、台湾を拠点とする世界有数の光ディスクメーカーで、1988年12月に葉進泰氏によって設立された。社名のRitekは「Right(正義・正確)」と「Technology(科学技術・工業技術)」を融合した造語で、時代が変わってもお客様のニーズを解決する製品を開発することを信条に、お客様のために無限に学び、革新し、拡大していくことをビジョンに掲げている。
Ritekグループは60年以上の歴史を持つ企業で、1988年の創業に先立つこと約30年前、1957年にレコード会社を立ち上げ、ビニール盤レコード生産を開始したのがそもそもの始まり。創業者である葉進泰氏は、台湾のレコーディング業界では著名な人物として知られていた。1980年にはスイスから24トラックレコーダーを輸入してレコーディングスタジオまで設けており、台湾に初めてマルチトラック録音技術を導入し、台湾の録音水準を大きく向上させた。音楽にこだわるDNAは創業時からのものだった。
創業から2年後の1990年には台湾初となるCDの製造に成功。その後も1996年CD-RW、DVD、1997年DVD-R、1998年DVD-RAMを台湾で初めて製造。この間、1997年英国、1999年ドイツ、2001年中国に光ディスク工場を設立。2002年には、CD-R/RW、DVD-R/RW、DVD+R/RW、DVD-RAM、MD、MOとすべての光ディスクを量産できる世界初の光ディスクメーカーとなった。現在は、より高度な技術力が求められる医療用バイオディスクも手掛けている。
また、1999年には台湾初となるOLEDの生産を開始、翌2000年には完全自動化されたOLED量産ラインを完成した。ナノテクノロジーやバイオテクノロジーを応用した製品、そして、グリーンエネルギー製品の開発・販売にまで事業を拡大する。現在、世界7カ国にオフィスを構え、6,000人以上の従業員を擁し、2011年「台湾トップ100ブランド」の栄誉を光ディスクメーカーとして唯一獲得するなど、国内外で高い評価を受け、数々の賞を獲得している。
■素早い判断力と先を見越したビジネス対応力
日本では主要国内ブランドへの供給実績もあり、日本のビジネスにも精通している。「That's」ブランドを擁するスタート・ラボで社長をつとめた揚伯裕氏は、ビジネスパートナーだったRitekの印象について、「特筆すべき点は、ブルーレイディスクの外部購入を検討していた際、初めてRitek本社を訪問し、初めましての挨拶から初荷の出荷まで、3カ月かからずに商品を日本市場に導入できたことです。Ritekサイドのマネージメントのスピーディーな判断、現場の先を見越したビジネス対応力に大変感謝したことをいまでも覚えています」と振り返る。
スタート・ラボでは国内生産を基本としており、海外製の導入は初めてのことだったという。品質を確保するために専用ラインでの生産となったが、「日本製と同等の品質確保が絶対条件でした。販売直後は市場からの品質クレームが来やしないかと日々チェックしていました」と当初は不安を隠せなかった。しかし、「スタート・ラボでは、お客様係という専門部署があり、メールや電話で入った問合せやクレームが翌朝にはリスト化されます。Ritek製商品については逐一レポート入れるようお願いしていましたが、1カ月が過ぎ、3カ月が過ぎ、半年が過ぎ、結果的には、製造に起因する致命的な案件はゼロでした。Ritek製の商品への安心感はこうした事実に裏打ちされたものです」。
さらに、「ビジネスを行う上で大変重要なファクターとなるのが安定した供給体制です。市場は生き物。いろいろな想定外のことが起こりますが、Ritekに関しては不必要なストレスを感じたことはありませんでした」と全幅の信頼を寄せる。
Ritek製品の日本市場での販売に長年にわたって携わってきたアールアイジャパン株式会社 代表取締役社長・日野剛氏は「Ritek/RIDATAという日本では馴染みのない海外ブランド製品を扱うにあたり、品質を第一に会話を続けてきましたが、十数年にわたり大きなクレームもなく今に至ります。その背景には、Ritekの一人一人の社員が、歴史や技術に裏づけされたプライドを持ち、それぞれの現場で業務を遂行しているからに他なりません」と強さの秘密を肌で感じるという。
また、Ritek Pro“CG”の商品開発アドバイザーを務めた、音楽専門のCD-Rデュプリケートサービス事業で業界トップの実績を誇るディーアンドエーミュージック 代表取締役・白川幸宏氏は「実際に訪問してみて、思っていた以上に大きな会社だということに驚きました。今までは光メディア工場という認識しかありませんでしたが、実際にはOLEDパネルや導電ガラス、太陽光パネルなどさまざまな事業を手掛けており、技術基盤がしっかりしている印象を強く受けました」と語る。
Ritekならではの技術力の高さとレコード生産を生い立ちとする音へのこだわりが生み出した、高音質・高信頼性を実現した光ディスク「Ritek Pro“CG”」。製造現場である工場には「Ritek Pro“CG”」の専用ラインが新設され、徹底した品質管理と工程管理が行われている。次回(6月)、連載企画「第3回」では、その台湾に構える工場をクローズアップする。
(協力:Ritek)
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May 26, 2020 at 06:54PM
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世界有数の光ディスクメーカー「Ritek」、始まりは音楽に対する愛情が火をつけたレコード生産 - PHILE WEB
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