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Sunday, February 16, 2020

始まりは三輪トラック…創業100年「マツダ」のデザイン秘話(SmartFLASH) - Yahoo!ニュース

 大変革期にある日本の自動車メーカー。その中で、独特の存在感を示すのが、マツダだ。誕生から100年、同社は「エンジンへのこだわり」と「デザイン性の高さ」で、コアなファンの心をとらえ続けている。その “原動力” の秘密に迫った。

【写真多数】四輪乗用車市場に参入を果たした「R360クーペ」

「『マツダデザイン』の歴史は、1950年まで遡ります。インダストリアルデザインの草分け的存在だった、小杉二郎氏を嘱託デザイナーとして招聘しました。

 彼が最初にデザインしたのが、三輪トラックの『CT/1200』です。その後、『R360(マツダ初の四輪乗用車)』などを手がけると大ヒット。ちょうどそのころ、社内にデザイン部門ができました。1959年末のことになります」(デザイン本部・田中秀昭主幹、以下同)

 この小杉氏と、イタリアのデザイン会社「ベルトーネ」が、マツダのデザインに大きな影響を与えた。

「その後、グラマラスなアメリカンデザインの1970年代、ヨーロピアンなデザインの1980年代を経て、『ときめきのデザイン』をコンセプトにした1990年代に入ります。線に頼らず、面の動きで、陰影を美しく表現しました」

 2000年代、マツダは “ワクワクする元気さ” を表現したブランドコンセプト「Zoom-Zoom」を打ち出す。そこで生まれたのが、初代アテンザなど、スポーティなスタイリングの「アスレティックデザイン」だ。そして2010年代、「魂動(こどう)デザイン」が誕生する。

「動きに対して “艶” と “凛” を組み合わせ、魂を入れ込むのが『魂動デザイン』です。プロポーションの黄金率やフォルミングの美しさ、さらに造形の陰影が光の反射でしっかり見える『匠塗』という塗装が、車を美しく見せています」

「美しさ」には、理由があるのだ。次のページでは、「マツダの100年史」を振り返る。

【マツダの100年史】
●1920年:創業
 1920年1月30日、ワイン瓶などのコルクを製造する「東洋コルク工業」として創業。その5年後、火事で工場を消失。失意の中から、実質的な創業者である松田重次郎は、本来の得意分野である機械工業での再起を目指し、社名を「東洋工業」と改め、三輪トラック事業に進出した。

●1931年:三輪トラックの生産開始
 1931年10月から、マツダ初の三輪トラック「マツダ号DA型」の生産を開始。「TCS型」は、4年後の1935年に発売されたモデル。排気量654cc、13.2馬力のエンジンで、400kg積み。2重フレームで耐久性を向上したり、荷台の床を低くしたりと、マツダ独自の技術が投入され、実用性も高く好評だったという。

●1960年:「R360クーペ」で四輪乗用車市場参入
 マツダが四輪乗用車市場に参入を果たした、記念すべき1台「R360クーペ」。356ccの空冷2気筒OHVエンジンは、16馬力。狭いながらもリアシートを装備して、4人乗りを可能にした軽乗用車だ。ボディは徹底的な軽量化が施されており、その燃費はリッター32kmを実現した。さらにオートマ車も設定するなど、力が入っていた。当時の販売価格は30万円と格安。

●1962年:
・「T2000」発売
 マツダ三輪トラックの集大成である1台が「T2000」。快適なキャビンと、丸型ハンドルを採用。エンジンは1985ccで81馬力、三輪車最速の時速100kmを実現し、積載量は2tだった。長い荷台と、三輪という小回り性の高さから、林業関係の人たちに愛用され、10年あまりも製造され続けた。

・「マツダ・キャロル」発売 
 1962年の発売当時、“軽自動車では初の4ドアセダン” として人気になった「キャロル360」。同年、排気量600ccのエンジンを積んだ小型乗用車規格として、360をベースにした「キャロル600」が登場した。人気は燃費のよい360に集中していたが、この小型車が、のちの大衆車「ファミリア」誕生へとつながっていく。

●1963年:「マツダ・ファミリア」発売
 小型車市場で勝負するために、「キャロル600」に800ccのエンジンを載せ、1963年に登場したのがライトバン「ファミリア」。社内のデザイン能力の育成が不可欠との認識から、入社間もない若手デザイナーの案を採用した。マツダのデザインへのこだわりが見て取れる。トヨタ「カローラ」や日産「サニー」と渡り合うほどの人気となった。

●1966年:「ルーチェ1500 セダン」発売
「ファミリア」のスマッシュヒットに続く形で、マツダの “普通乗用車第2弾” として、「ルーチェ1500」が登場。イタリアのデザイン会社「ベルトーネ」がデザインを担当し、その美しさは現代でも通用するレベルにある。78馬力のエンジンは、最高時速150kmを可能にして、高級車にふさわしい俊足ぶりを見せた。

●1967年:「コスモスポーツ」発売
“世界初の量産ロータリーエンジン車” として登場した「コスモスポーツ」。「2シーターのクーペモデル」という、当時としては、まさにスーパーカー的な存在だった。ロータリーエンジンを実用化したマツダの技術力の高さを、日本だけではなく世界に知らしめた名車。110馬力と128馬力、2種のエンジンが用意された。

●1970年:「カペラ」発売
 1970年に登場した初代「カペラ」は、2ドアクーペと4ドアセダンの2種。エンジンは、新開発ロータリーと1600cc、こちらも2つが設定された。なんと総勢300名のプロジェクトチームが編成され、空力理論を応用し、デザインも戦闘機を彷彿とさせるイメージに。ロータリーのパワーと斬新なデザインから「風のカペラ」などと呼ばれた。

●1972年:「サバンナGT」発売
「コスモスポーツ」から始まり、「ファミリア」「ルーチェ」「カペラ」と続いたロータリーエンジン搭載車の第5弾として登場。多くの人が、輸出名である「RX-3」で呼んでいた。モータースポーツでも大活躍し、当時、無敵を誇った、日産「スカイラインGT-R」の連勝記録を止めたことでも知られる。

●1978年:「サバンナRX-7」発売 
 ロータリーエンジンの軽量小型という特徴を生かした「サバンナRX-7」が登場。その性能は、デビュー直後に第2次オイルショックが始まるというスポーツカーには厳しい状況のなか、高い評価を得た。ヘッドランプを点灯に連動してせり上がる、「リトラクタブルライト」も話題となり、異例のヒット作となった。

●1980年:5代目「ファミリア」発売
 5代目「ファミリア」は、当時の小型車で主流になっていた「FF(前輪駆動)」を採り入れ、2ボックスのハッチバックスタイルで、1980年に登場。第2次オイルショックのピークだったが、簡素ながら存在感のあるデザインと、実用性の高さから大ヒット

●1989年:「ユーノス・ロードスター」発売
 1989年、当時「軽快な操縦性を楽しむライトウエイトスポーツカーが、ここまで売れるとは誰も考えなかった」といわれるほど、衝撃的なデビューを果たした「ユーノス・ロードスター」。のちに「ユーノス」は車名から外れるが、軽量でコンパクトな車のよさ、そしてオープンカーの爽快さを、世界に知らしめた功績は大きい。現行は4代目。その人気は、いまも色あせることはない。

●RX-8 2003年
 1990年代、マツダが経営不振からフォード傘下に入ると、採算性の悪いスポーツカー「RX-7」は、早々に生産が打ち切られた。しかし、マツダの技術的支柱である「ロータリーエンジン」の復活を望む声は多く、フォードからやってきた重役たちを巻き込んで、4ドアスポーツカー「RX-8」を開発。ロータリー復活を成し遂げた。現時点で、ロータリーエンジンを搭載した最後の市販車でもある。

(週刊FLASH 2020年2月18日号)

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