[ソウル 27日 ロイター] - 日中韓3カ国は27日、韓国・ソウルで約4年ぶりに首脳会談を開き北朝鮮を含む地域情勢や貿易などについて協議、協力を進めていくことを確認した。
中国の李強首相は首脳会談の開幕に当たり、今回の会談は「再開と新たな始まりの双方」を意味すると発言。3カ国間の包括的な協力再開を呼びかけ、そのためには政治と経済・貿易問題を分けるべきだとし、保護主義とサプライチェーン(供給網)のデカップリング(切り離し)をやめるよう求めた。
<共同宣言を採択>
3カ国首脳は共同宣言を採択し、自由貿易協定(FTA)締結に向けた協議加速や、市場開放を維持しサプライチェーンの混乱を回避する避けるというコミットメントを再確認した。
共同宣言では、日中韓が最高レベルのより頻繁な意思疎通を正式な枠組みとすることや、気候変動・保全・医療・貿易・国際平和などでの協力を呼びかけた。
また、文化交流・観光・教育を通じて2030年までに人的交流を4000万人に増やす目標も掲げた。
パンデミックに向けた準備と知的財産保護に関する個別の声明も発表した。
<北朝鮮問題>
韓国の尹錫悦大統領も、北朝鮮の衛星打ち上げに国際社会が強く対応していく必要があると述べた。
李首相は、全ての当事者が自制し、朝鮮半島情勢をこれ以上複雑にしないよう呼びかけた。中国は北朝鮮の唯一の軍事同盟国で、最大の貿易相手国。
岸田首相はロシアのウクライナ侵攻について、世界のどこであれ力による一方的な現状変更の試みは決して求められるものではないと述べ、日本の立場を説明した。
また、ハイレベルな規律を含め、未来志向の日中韓自由貿易協定(FTA)のあり方について率直な意見交換を行っていきたいと述べた。
外務省の小林麻紀報道官は記者団に対し、首脳会談の雰囲気が「非常に建設的」だったと説明した。
尹大統領によると、首脳会談では透明で予測可能な貿易・サプライチェーン環境を構築することでも合意した。詳細は明らかにしていない。
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