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Monday, September 18, 2023

【特集】“愉快な聞き比べの始まりだ!”『アーマード・コア6』ミシガン総長の ... - Game*Spark

※本記事には『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』
Chapter3までのネタバレが含まれています。閲覧にご注意ください。

記事掲載のスクショでは「G13」仕様のAC「TENDERFOOT」をフレームパーツに採用します。

約10年ぶりのシリーズ最新作『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON(アーマード・コア6)』。『アーマード・コア』といえばロマンあふれるAC機体やそのカスタマイズ性が特徴ですが、ストーリーやゲームの舞台を盛り上げる搭乗者たちも魅力のひとつです。

歴代シリーズにおける搭乗者は、基本的にゲーム中でその姿は描かれず、プレイヤーは機体やエンブレム、そしてボイスを通して人となりを伺うことになります。彼らの特徴的な言葉の数々は多くのファンに愛されており、シリーズあるあるの代名詞として使われがちな「だまして悪いが」や、背景も相まってカッコよさが際立つ「言葉は不要か・・・」などが存在しました。

「ラスティ」は海外でも特に人気のキャラクターとなっています。

最新作である『アーマード・コア6』においても秀逸なセリフ回しは健在であり、主人公を「戦友」と呼ぶ「V.IV ラスティ」、初期トレイラーとは違った一面を見せる「ハンドラー・ウォルター」、兵器開発に対し独特の思想を持つ「シンダー・カーラ」など、印象深いキャラクターたちが本作ストーリーを盛り上げています。

本記事では、その中でも堪能なボキャブラリーで主人公たちに喝を入れる「ミシガン総長」こと「G1 ミシガン(以下、ミシガン)」のChapter 3までのセリフを日英版で比較。キャラクターとしての魅力も紹介していきます。

本記事ではミッション以外にも、Chapter 3までに登場した「情報ログ」や「アリーナ」の紹介文といったゲーム内テキストにも言及するので、ネタバレを避けたい方は閲覧にご注意ください。

そもそも「ミシガン」ってどんな人?

ミシガンとは、作中に登場する企業ベイラム・インダストリー(以下、ベイラム社)を中心としたベイラムグループ、その専属AC部隊レッドガンの総長です。「歩く地獄」の異名でも知られており、主人公C4-621とはベイラム社が依頼するミッションを通して出会うことになります。

ゲーム内での同キャラクターは、「愉快な遠足の始まりだ!」「突入しろ 役立たずども!」をはじめ、映画「フルメタル・ジャケット」の「ハートマン軍曹」を想起させる鬼軍曹的な言動が特徴です。言葉使いからは冷酷無比にも見えるミシガンですが、仲間思いな一面も持っています。部下である「G4 ヴォルタ」は彼を「(自分たちを)切り捨てるような真似は絶対にねぇ」と評していて、任務達成が不可能と見れば即座に撤退の命令を出すなど、命が軽く扱われがちな本作の世界では貴重な価値観を持つキャラクターでもあります。

準備を始めろ!愉快な日英セリフ聞き比べの始まりだ!

ミシガンの魅力をお伝えしたところで、本項からは彼の数ある個性的なセリフから一部ピックアップして紹介。日本語版と英語版の表現の差などを見ていきます。

■ミッション「多重ダム襲撃」

まず外せないのは、主人公がミシガンと初めて出会うこのミッションでしょう。目標はルビコン解放戦線のライフラインである治水拠点の破壊であり、レッドガン部隊からは「G4 ヴォルタ」と「G5 イグアス」が同行。ここで主人公は「G13」のコールサインを割り当てられますが、ミシガンが担当するブリーフィングで早速飛び込んでくる以下の一文を今でも覚えている人もいるかもしれません。

(英)The objective is to destroy their lifeline―and make those sacks of shit beg for mercy!
翻訳:ライフラインを破壊し、糞袋どもに慈悲を乞わせるのが目的だ!

(日)ライフラインの破壊により連中が泣いて詫びる損害を与えるのが目的だ!

ライフラインの破壊が目的である旨は一緒ですが、日本語版ではルビコン解放戦線を「連中」と呼んでいたのに対し、英語版では「糞袋」と過激になっており、鬼軍曹感が増しています。

なお、本ブリーフィングの締めはミシガンを代表する以下のセリフです。

(英)We’re going on a field trip, kiddo!

翻訳:遠足に行くぞ、坊主!

(日)愉快な遠足の始まりだ!

こちらは概ね一緒ですが、日本語版では“愉快”という形容詞が使われていることで、コミカルな印象が少し強めになっています。

次はミッション中、主人公を「ズブの素人って訳でもねえな」と評するレッドガン部隊「G4 ヴォルタ」へのミシガンの叱責です。

(英)We don’t need backseat drivers in the Redguns. Shape up, or ship out!

翻訳:余計な口出しをするやつはレッドガンには要らん!改めろ、さもなくば出ていけ!

(日)批評家はレッドガンには要らん。改めろ!さもなくば荷物をまとめろ!

英語版で特に目を引くのは「backseat drivers」という表現。こちらは直訳すると“後部座席のドライバー”になりますが、“後部座席で運転手に余計なアドバイスをする人”を意味しているほか、そこから転じて“要らぬ口出しをする人”の意でも使われています。「批評家」とは若干意味が違いますが、“運転手”と“ACを操作するパイロット”という部分をかけて、この表現が選ばれたのかもしれません。

■ミッション「坑道破壊工作」

本ミッションはベイラム同盟企業「大豊」から依頼されるものであり、ブリーフィングと連絡役はミシガンの部下である「G6 レッド」。目標はとある施設の破壊、ならびに当時敵対していた組織「惑星封鎖機構」の陽動です。

ミシガン本人は登場しませんが、ミッション中にコーラルの炎に飲み込まれかけた主人公へ慰労のメッセージを伝言しています。

(英)Sounds like you stared death in the face when all that Coral came rushing up. That's one way to light a fire under your ass―keep it alive for the next field trip.

翻訳:コーラルが迫ってきた際に死にかけたらしいな。それもケツに火を点けるひとつの方法だ。次の遠足まで絶やすなよ。

(日)コーラルに飲まれかけるとは災難だったな。貴様のケツには文字通り火が点いたことだろう。その火は死線を潜り抜けた証拠だ。次の遠足まで大切に育てておけ。

本メッセージで特に目立つ差異は「That's one way to light a fire under your ass」の部分。こちらは文字通り“ケツに火を点ける”ことを指している可能性もありますが、英語における“light a fire under(人 or 人’s ass)”には“(人)に発破をかける”または“(人)をせかす”と言う意味もあります。

ゆえに英語版では実際に起きた出来事とあわせ、「それもケツに火を点ける(自身に発破をかける)ひとつの方法だ」とダブルミーニングなジョークを主人公に送ったのかもしれません。

■ミッション「アイスワーム撃破」

本ミッションではラスティの決め台詞も必聴です。

こちらはChapter 3の最終ミッションであり、惑星封鎖機構が起動した巨大なC兵器「アイスワーム」を撃破すべく複数の勢力が一堂に会する大舞台です。本ミッションでミシガンは作戦の総指揮を担当。本作戦における主人公の役割は、スタンニードルランチャー「VE-60SNA」を使った「アイスワーム」のプライマリシールドの破壊となっています。

しかし、本ミッションでスタンニードルランチャーを装備し忘れる大ポカをやらかすと、ミシガンからありがたい叱責を頂くことができます。

(英)What?! You didn’t bring it?! G13, your ability to ruin my field trips is uncanny!

翻訳:何!?持ってきていないのか!?G13、貴様の遠足を台無しにする能力は超常的だな!

(日)貴様!持ってきていないのか!持ち物の確認は遠足の基本だ 馬鹿者!

作戦開始前のブリーフィングで説明したにもかかわらず、うっかり忘れてしまった主人公への火ところですが、日本語版では説教というテイストなのに対し、英語版では皮肉っぽい表現が際立っています。

ちなみに、スタンニードルランチャーを忘れても作戦はそのまま続行します(僅かではあるが、通常の兵器でもプライマリシールドの耐久値を削ることは可能)。

次に紹介するのは同ミッション内でプライマリシールドの先、セカンダリシールドの破壊を担当する「V.IV ラスティ」の手際の良さへのコメントです。

(英)Finally, someone with their head screwed on straight. Ever thought about switching sides?

翻訳:やっとまともなやつが現れたな。今まで鞍替えを考えたことは無いか?

(日)抜かりはないようだな ナンバーに空きがあれば勧誘しているところだ!

日英ともに「V.IV ラスティ」を称賛している一方、日本語版では“ナンバーに空きがあれば……”しているのに対し、英語版では“今まで鞍替えを考えたことは無いか?”と間接的に勧誘しています。どちらもただのお世辞の可能性もありますが、ミシガンはかつて喧嘩に明け暮れていた「G4 ヴォルタ」と「G5 イグアス」に鉄拳制裁を浴びせレッドガン入隊へ導くなど、豪快な一面もあるゆえ本気の可能性も否定できません。

ちなみに、本ミッションまでの間にナンバー持ちのレッドガン隊員は最低でも1名は亡くなっていますが、「ナンバーに空きがあれば」という発言から死亡した隊員のナンバーは欠番扱いになっている可能性があります。

Chapter 3までのミシガン日英版セリフの紹介は以上となります。ここで取り上げたもの以外にも、ミシガンの鬼軍曹節を効かせたセリフはまだまだ存在します。英語版では言語の違いなどを意識した翻訳がなされており、ゲームを既にクリアした人も、英語版で改めてプレイすることで新たな発見があるかもしれません。

ちなみに、日本語版ミシガンの声優を担当した「佐藤せつじ」さんはX(旧Twitter)にて、「愉快な耳かきの始まりだ!」と誰かを彷彿させるASMR風ボイスや、「耳かっぽじってよく聞け!」と鬼軍曹と薩摩テイストが入り混じった魔法学校の組み分け帽子風ボイスを公開しています。興味のある人は是非聞いてみて下さい。

※UPDATE(2023/09/18 19:28):記事内で本来「死線」と表記すべき部分が「視線」となっていたのを修正しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございます。


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