このうち、トルコ南部のリゾート地には去年、300万人以上のロシア人観光客が訪れ、国別では最も多くなっています。
ロシアによるウクライナ侵攻後もエルドアン政権は、ロシア人観光客の誘致を進めていて、観光都市のアンタルヤでは21日、地元出身のチャウシュオール外相らが市民との意見交換会を開きました。このなかでチャウシュオール外相は「私たちは観光の目標を設定している。『ロシアに制裁を科して、バランス外交を改める』という人がいるが、トルコの特別な地位を損なうだけだ」と述べました。
チャウシュオール外相は集会後、NHKの取材に「クルチダルオール氏の発言は地域に悪影響を及ぼしている。私たちはロシアとウクライナの和平に向けた努力で仲介の役目を続けなくてはならない」としてトルコの仲介外交が、地元経済にも貢献していると強調しました。
こうしたエルドアン政権下でのロシアとの良好な関係を歓迎する観光業界の関係者は少なくありません。
アンタルヤのリゾートホテルでエンターテインメント事業を担当するロマ・オメルさん(35)は、ロシア語を習得し、ロシア人観光客の対応に力を入れています。オメルさんは、ロシアからの観光客が売り上げに最も貢献していて、長期滞在者も多いとしたうえで「ロシア人観光客も選挙の行方を見守っていると思う。不安がっているロシア人もいる」として、選挙の結果次第ではロシア人観光客への影響が出かねないと話していました。
そのうえでオメルさんは「エルドアン大統領は、コロナの世界的大流行や経済危機の中でも観光業を守ってくれた。続投を果たせばもっと良い仕事をしてくれる」としてエルドアン大統領に投票すると話していました。
一方、アンタルヤの旅行会社のハサン・デルトリさん(40)は、ロシアよるウクライナ侵攻が続くなかでも、地域の産業がロシア依存を深めているとして危機感を募らせています。デルトリさんの会社では顧客の8割以上がロシアからの観光客ですが、過度な依存は長期的にはリスクもあり、ヨーロッパからの観光客の誘致を進めるべきだと考えています。
そのうえで「ヨーロッパから観光客が来ないのはエルドアン大統領の政策のせいだ。政権交代すれば観光にも活力が生まれる」として、現政権下で欧米各国との関係がぎくしゃくする中、クルチダルオール氏に期待を寄せていました。
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