それは必ずしも真実ではない。
聖なる断食月は、1カ月ほど続く行事であり、その間世界18億人のイスラム教徒は日の出から日の入りまで食べることも飲むこともしない。しかしイスラム暦は太陰暦のため、ラマダンには決まった日にちがない。中国の旧正月によく似ている。
実際には、ラマダンは3月の新月後、初めて三日月が見えたときに始まる。終わるのは、4月の新月後に初めて三日月が見えたときだ。
つまり、公式の日にちは、聖職者たちが三日月をうまく観察できると仮定すれば、新月の後の最初の晩ということになる。一部のイスラム教徒にとってのラマダンは、ムハンマドの誕生地、サウジアラビアのメッカから最初に月が見えたときに始まる。
しかし、正式な発表とは裏腹に、科学的に細い三日月は明瞭に見えるとは限らない。協定世界時3月21日火曜日17時23分の新月の瞬間から、三日月が見えるようになるまでには少なくとも15時間を要する。
3月22日水曜日の輝面比1%の三日月をメッカから見るの極めて困難だろう。太陽の非常に近くに来るため、見える可能性があるのは、南西の空で日没直後のごくわずかな時間だけだ。。
3月23日木曜日、輝面比5%の三日月は日没直後のメッカからずっと容易に見えるだろう。
2023年2月にイスラマバード上空に見えた三日月(Getty Images)
この2つの三日月は誰にでも見ることができる。それはアマチュア天文家たちが、晴れていれば毎月やっていることだ。
3月23日木曜日に日が沈んだらすぐ、南西の地平線がよく見えるところ、できれば高いところ、たとえば3階に上がってみよう。双眼鏡があればずっとよいが、太陽が空から完全に消えるまで使ってはいけない。
ラマダンの終わりは4月21日またはその前後に、イード・アル・アドハーの祭典で祝われる。正確なタイミングはやはり、その晩に輝面比2%の三日月がそ見えるかどうかで決まる。
「シャウワール(尾の月)」として知られているその月は、新月が一時的に太陽を遮断し、あの最も稀かつ最も美しい自然事象である皆既日食を起こした数時間後に、太陽の輝きの中から現れる。
2023年4月20日木曜日、南半球では西オーストラリアから東ティモール、西パプアにかけて皆既日食がよぎり、最大76秒間続く。
次の日食はいつか? 彼方で起きるその皆既日食の、2024年4月8日にメキシコ、米国およびカナダで起こる次の皆既日食へのカウントダウンが始まる。この皆既日食は4分27秒間も続く、
2023年4月の皆既日食から2024年4月の皆既日食までの日数は354日、1太陰年だ。
情報開示:筆者はWhenIsTheNextEclipse.comの編集者であり、『The Complete Guide To The Great North American Eclipse of April 8, 2024』の著者。
澄み切った空と大きな瞳に願いを込めて。
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