今できることは、この試合に勝利することだけ。引き分け以下で挑戦は終わり、勝ったとしても運に委ねるしかない。エスパルスが進んでいるのは茨の道だ。
あと1勝していれば状況は違った。前節鹿島戦でも、前半にはチャンスを作っている。北川航也の負傷交代というアクシデントはあったが、代わって入った乾貴士が起点となり、シュートチャンスは幾度となくあった。そこで決めきれず、後半にはコーナーキックの流れから、クリアボールが相手に当たって入るという不運な形でゴールを決められてしまい、それが決勝点に。今季のホームゲームは、わずか2勝に終わってしまった。
ただ、過去を振り返っても仕方がない。エンディングセレモニーで、それでも必死に拍手を送ってくれるサポーターの存在に、選手たちは再び立ち上がり、この試合に向けて戦う気持ちを取り戻している。「技術、戦術を高いレベルで発揮できたとしても、全てを出し切る姿勢がなければ良い結果を求めることができない」とゼ リカルド監督が選手たちと共有しているように、残りの1試合に全ての力を注ぐ覚悟が必要になる。
全力を尽くさなければいけない理由は、簡単な相手ではないからだ。札幌は、前節広島と対戦した。広島といえば、天皇杯の決勝でJ2甲府にPK戦の末に敗北を喫してしまったが、翌週のルヴァンカップ決勝を制して波に乗っている。そのチームに対して、札幌は堂々とした戦いを見せた。23分、ルーカス フェルナンデスのスルーパスに興梠慎三が抜け出し、GKを冷静にかわしてゴールに流し込み先制点を決める。ところがリーグ3位でACLを狙う広島も、黙ってはいない。37分に塩谷司のクロスに野津田岳人が合わせて1点差に詰め寄る。だが、この節で残留を決めたい札幌が意地を見せた。55分、フェルナンデスのクロスをガブリエル シャビエルが折り返したところを宮澤裕樹が押し込んで勝ち越し。終盤の反撃も菅野孝憲のファインセーブでしのぎきり、残留争いを抜け出す貴重な勝ち点3を手にした。
権田修一が札幌戦のポイントとして挙げたのは、まさにその勝ち越しゴールのような場面だ。「クロスが上がって大外で折り返したときに、3人目が動いている」。勝利のためには得点が必要だが、失点をしてしまうと、よりたくさんのゴールが求められ、試合は難しくなる。相手の攻撃の形をしっかりと把握し、無失点、もしくは最小失点で切り抜けたいところ。そして一方の攻撃では、乾が累積で出場停止となるが、それでも攻撃陣の役者は揃っている。何より、現在リーグ得点ランキングトップのチアゴ サンタナは、昨季の札幌戦でゴールを奪っている。エースが得点王を決定づけるゴールを奪って試合を優位に進めたい。
エスパルスには残留力がある。17年にJ1に復帰してから、一桁順位でフィニッシュとなった18年を除いて、最終節は毎年のように残留を争うような厳しい状況だった。しかし、その全ての年で最終節は勝利をしている。土壇場に強いエスパルスを今年も発揮し、他会場の結果を待ちたい。そして現地で、パブリックビューイングで、DAZN等で観戦するエスパルスに関わる全ての人に、最後は笑顔になってもらう。
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