米連邦準備制度の金融引き締めとリセッション(景気後退)の不安が、9月に投資適格債と高利回り債、レバレッジドローンの価格を急降下させたが、米クレジット市場の投資家にとって痛みは始まったばかりだ。
容赦なく利上げに動く連邦準備制度と経済リスクの高まり、市場のボラティリティーに債券保有者が直面する状況で、10月は低格付け債の損失がさらに積み上がる恐れがある。
9月はブルームバーグ米国投資適格社債指数がトータルリターンベースで5.26%安と、4月以降で最も下げた。ブルームバーグ米国ハイイールド社債指数も3.97%安と3四半期連続のマイナス。1990年3月以降で最も長い四半期ベースの下げ局面に入った。ローンのパフォーマンスも9月としては2008年以降で最も悪かった。
ブルームバーグ・インテリジェンスのクレジットリサーチ・ディレクター、ノエル・ヘバート氏によれば、比較的格付けの高い米社債の米国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)はピークに近づいている可能性が高いが、格付けがより低い社債はスプレッドの拡大余地がなお大きい。
同氏は「ハイイールドは別の動物だ。スプレッドの観点から見れば、終わりではなく始まりにより近いかもしれない」と電子メールで回答した。
ヘバート氏によると、借り入れに依存する高利回り債の発行体は、借り入れコストが上昇する状況でも、これまでは借り換えを先送りできたが、年末年始を控えついに市場で資金調達を迫られそうだ。企業の利幅縮小が予想される7-9月(第3四半期)決算が近く発表されるタイミングで、これが起き始めると同氏は予測する。
UBSグループのマシュー・ミシュ氏を中心とするストラテジストらは3日のリポートで、「リスク選好度が低下し、発行市場で起債が途絶える状況で、社債市場の機能不全のリスクが高まっている」と指摘した。
原題:
Credit Wipeout Foretells Junk-Debt Pain as Recession Looms (1)(抜粋)
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