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Saturday, May 14, 2022

パンデミックの終わりの始まり?コロナとの共存を選んだコロンビア - Newsweekjapan

©️iStock - triocean

コロナウイルスのパンデミック が始まって2年が過ぎ、コロンビアで「コロナウイルス」という言葉を聞く事はもうほとんどなくなりました。

感染者がうなぎ上りに増えていた2021年6月に感染拡大防止より経済回復に舵を切ったコロンビア。年明けにオミクロン株による新規感染者が急増したものの経済回復を優先させる姿勢は崩さず、それどころか今月にはいって条件を満たした地域には屋内でのマスク着用の義務が廃止される決定が下されました。

英誌The Economistのが発表したランキングでは、コロンビアは世界で4番目に社会の正常化が進んでいる国とされており、コロンビアは既に「パンデミックの終わりの始まり」の渦中にあるといって間違いはなさそうです。

世界が鎖国状態になったり厳しい水際対策を敷く中、真っ先に外国からの観光客の入国制限を取っ払った時は一体この先どうなってしまうんだと不安になったりしましたが、潔くコロナウイルスとの共存に向けて突っ走ってきたコロンビアの判断は今思い返せば決して間違ったものではなかったのだと思います。

マスクの義務化解除

2月に屋外でのマスク着用義務を廃止したコロンビア。しかし意外とコロンビア人は慎重で、廃止が発表されてからしばらくは街を歩く人の多くが今まで通りマスクをつけたままでした。当時は屋内や換気が十分にされていない公共交通機関でのマスク着用は引き続き義務付けられていたので、つけたり外したりという作業が面倒だからつけっぱなしにしていたという人も多かったと思います。しかし徐々に屋外では顎マスクで過ごす人々が目立つようになり、着脱の手間もあってか屋内でのマスク着用義務の廃止を求める声も少しずつ増えていきました。それを受け、政府は5月1日から「ワクチン2回の摂取率が70%以上、3回目が40%以上」という条件を満たした自治体には屋内でのマスク着用義務を解除すると決定します( 公共交通機関や病院では引き続き着用)。更に数日後には「15日以降、学校でのマスク着用義務も廃止する」との発表があり、このスピード感だとコロンビアからマスクが完全に消える日もそう遠い話ではないかもしれません。

 

4回目の接種開始

5月6日、目標としていた国民70%のワクチン2回接種を達成したことを発表したコロンビア。同日に4回目のワクチン接種を始めることを決定しました。対象となるのは3回目のブースター接種から4ヶ月以上経過している50歳以上となり、この4回目の接種にはファイザーかモデルナが使用されることになっています。健康省のフェルナンド・ルイス大臣は「現在、感染者は多くないものの油断は禁物だ」として、マスク義務廃止によって起こりうる新規感染者数の増加に備えるためにも対象者は接種会場に積極的に足を運ぶように呼びかけました。また、コロンビアでは既に12歳以上を対象に3回目のブースター接種も行っています。

何が正解か

コロンビアのように感染者や死者が増えようとコロナウイルスとの共存を目指す国もあれば、日本のようになるべく感染を抑え国民の健康を守ろうとするような国もあります。コロンビアの場合日本のように海外からの入国や外出を厳しく制限してしまうと、元々深刻な問題である失業や貧困が更に悪化しコロナウイルスには感染しなくても貧困で国民が命を落としてしまう危険があるため、経済を回すことに舵を切るという選択は避けられなかったのではないでしょうか。このウイルスの対応に関しては意見が分かれてしまいがちですが、結局どちらを選んでも何かしらのリスクを背負う事は避けられず、どちらが正解というものではないのだろうと思います。上記の内容もコロンビアの現状を紹介したものに過ぎず、日本のコロナウイルスへの対応を否定するものではありませんのでご了承ください。

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