シースナイフを買いました
GERBERのナイフ「パラフレームI」を買ったとき(第231回「かっこいいナイフを買ってさりげなく普段使いがしたい」)に、「ナイフって1本あれば十分なのに、通販サイトなどを見ているとほかにも欲しくなってしまいます。あんまりハマるとここの沼も深そうなので、気をつけなければ」と書きましたが、まんまと買ってしまいました。今度は折りたたみ式ではない普通のナイフです。
刃が可動しないことから固定刃やフィクスドブレードと呼ばれるタイプで、ナイフの基本形ってところですね。鞘(シース)とセットになっていて、こういうナイフをシースナイフとも呼ぶそうです。
米軍払い下げ品です
メーカーはアメリカのBenchmade Knife社。1980年代にカスタムメイドのバタフライナイフを作っていたBali-Songという会社がルーツで、その後PacificCutleryCorpになり、さらに現在のBenchmade Knifeへと社名が変更になったそうです。現在では世界でトップクラスの販売量をほこるメーカーへと成長しています。
BENCHMADEのナイフには3つのクラスがあって、ひとつは一般的なナイフのブルークラス。もうひとつはコレクターズエディションなどの限定品がメインのゴールドクラス。そしてもうひとつが軍などのプロフェッショナル向けであるブラッククラスです。タクティカルナイフですね。
ワタシが買ったのは米軍の払い下げ品なので、このブラッククラスに分類されます。発売から20年以上経つベストセラーの「Nimravus(ニムラバス)」というモデルです。
このニムラバスっていう言葉、まったく聞いたことがなかったので造語かと思ったんですけど、存在する単語でした。サーベルタイガーの平行進化版の動物だそうです。別種なのに進化の過程で似通った姿になったっていうやつですね。サーベルタイガーではなくちょっとヒネった名前っていうのが気に入っています。
ブレードはドロップポイント
BENCHMADEのサイトでNimravusを検索すると、「140BK Nimravus」というモデルと「141SBKSN Nimravus」、そして「Nimravus Family」の3種類がヒットしました。
この140と141という数字はブレードの形状の違いで、140はドロップポイント(drop point)、141はタントー(tanto)というタイプになります。
ポイントというのはブレードの先端、切先のこと。ドロップポイントは切先が下がった形状をしています。動物の皮を剥いだりするのに向いていて、ハンティングナイフでは一般的なタイプだそうです。
タントーは刃が分厚くて先端が斜めにカットされたような形をしているのが特徴です。語源は日本語の「短刀」なのだとか。短刀とはあんまり似てないと思うんですけど、語呂がよかったとか日本刀っぽさを取り入れたかったとかなのかな。ニンジャブレードみたいな。
見た目が強そうなのでタントーの方ががいいなぁと思っていたんですけど、マルチに使えるドロップポイントの方が使い勝手はよさそうですね。
アルファベットはブレードの仕様です
数字の後ろにあるアルファベットのBK、SBKSNは、ブレードの仕様を表わします。
BKはBlack。光が反射して敵に見つかったりしないようにするため、つや消しの黒に塗られています。140BKはブレードがドロップポイントで色が黒ということですね。
SBKSNの最初のSは「Serration(セレーション)」。パラフレームIの刃の付け根にあったノコギリのような波刃、あれがセレーションです。
ナイフを料理などに使うときは不要というかむしろ邪魔だったりしますけど、ロープのような普通の刃だとなかなか刃が食い込んでいかないような物を切る時は強い味方になってくれます。
最後のSNはよくわからなかったんですけど、グリップの色がSandとなっていたのでたぶんグリップの色なのではないかと。141SBKSNはセレーション付きのタントータイプブレードでブレード色は黒、グリップはサンドカラーといった感じです。
米軍専用モデルです
ここでアレ? ってなるのがウチのナイフ。ドロップポイントでブレードの色が黒なので140BKかと思いきや、セレーションが付いています。つまり140SBKということに。でもサイトには載っていませんでした。
どうやらこれは米軍専用モデルらしく、市販されていないので掲載されていないようです。ブレードには軍用品であることを示すNSN(National Stock Number)が入れられていました。
NSNは1095-01-466-8569。調べてみると品名は140SBKとなっていました。やはり合ってたみたいです。
Federal Supply Classification(FSCー連邦供給品クラス)は1095。最初の2桁は大きなグループを表わしていて、10は「武器」。1095は「その他の武器」になります。ナイフにはユーティリティーナイフなどもありますけど、このナイフは完全に武器扱いでした。NSNの説明文にも「Knife, combat」と書かれています。
ブレードの材質は154CM
NSNのスペック表ではブレードの材質はHIGH CARBON STEELとなっていましたが、メーカーサイトにはもう少し詳しく載っていて、「154CM(58-61 HRC)」と書かれていました。
154CMはもともと航空機のエンジン用に開発された鋼材の名称で、耐摩耗性、耐腐食性に優れています。58-61は素材の硬さを表わすHRC硬度という数値で、60前後というのは少し高めな部類らしいです。
グリップはパラコードでカスタマイズ済み
グリップにはOD色のパラコードがきっちり巻かれています。これはメーカー純正ではないはずなので、持っていた人が自分で巻いたんじゃないかと思います。
一度外してグリップを見てみようかと思ったんですけど、末端が熱で潰されていて外れないようになっていたので断念。とりあえずはこのままにしておこうと思います。
それから、シースに付いている固定用バンドも交換されているようです。純正では黒いはずがODのような色のバンドになっていて、固定方法も縫い付けではなくパラコードでつながれていました。これはカスタマイズっていうんじゃなくて、使っているうちに取れちゃったから付け替えたのかもしれません。
持ちやすくて使いやすいベストサイズ
グリップは人差し指のところが円形に凹んでいて指が引っ掛かるようになっているため、前後に動かすときに力を込めやすくなっています。
グリップサイズはワタシ的にジャストフィット。めちゃくちゃ持ちやすいです。パラコードに隠れてグリップ自体は見えませんが、140BKと同じはずなので6061-T6というアルミニウム合金製だと思います。
全長は9.45inch(24cm)で、ブレード長は4.5inch(11.43cm)。ブレードの厚さは0.115inch(2.92mm)で、重量は5oz.(141.75g)となっています。
ブレードの厚さはおよそ3mm。固定刃のナイフは刃厚が4、5mmあるものも多いので、ちょっと薄めかもしれません。三徳包丁にも3mm厚というのがあるぐらいですし、包丁的な使い方もできそうな気がします。
いずれメンテをしたいです
サイトにもうひとつあったNimravus Familyは、140BKをベースにブレードとハンドルの仕様を選んでカスタマイズができるページのようですが、これを書いている時点ではブレードもハンドル素材140BKのものしか表示されず、カスタマイズ不可になっていました。こんなご時世なので在庫が少ないのかもしれないですね。
ほかにもBenchmadeの公式サイトには気になるサービスが載っていて、LIFESHARPというページに永久保証と書かれていました。工場にナイフを送ると無料で清掃&研ぎ直し&注油&調整をしてくれるらしいです。刃がだいぶよれよれだし少し欠けたりしてるから、研ぎ直しはやってもらいたいかも。でも何事も経験なので、自分でチャレンジしてみた方がいいかなー。
からの記事と詳細 ( ナイフ沼の始まり!? 米軍払い下げのシースナイフを購入 - ASCII.jp )
https://ift.tt/u4pUfYa
No comments:
Post a Comment