記録員としてベンチに入る丹生のマネジャー礒部美海さん（右）とスタンドから声援を送る上田朱李さん＝徳島県阿南市のＪＡアグリあなんスタジアム
選抜高校野球大会に３月２３日登場する丹生高校野球部（福井県越前町）には、４月から３年生になるマネジャーが２人いる。礒部美海さんと上田朱李さん。ただ甲子園で記録員としてベンチ入りできるのは１人で、「甲子園に入ったら、後の県大会のベンチは別の人に譲る」との監督方針もある。悩んだ末に甲子園を選んだのは礒部さんだ。「朱李も入りたかったはず。その思いも背負い選手をサポートしたい」と意気込んでいる。
丹生が２１世紀枠で甲子園初出場を決め、しばらくした２月中旬、礒部さんと上田さんは春木竜一監督からベンチ入りについて告げられた。「甲子園は１人だけ。甲子園を選んだら、その後の県大会はもう１人に任せる。甲子園はそれぐらいの覚悟がいる」。マネジャーにとっても甲子園は憧れ。苦楽をともにし、互いを大事な相方と言う２人は「とても迷った」と口をそろえる。
礒部さんは、甲子園を選んだことで、自身にとっては最後の公式戦ベンチとなる。とはいえ、歴代の丹生高マネジャーが誰も経験したことのない大舞台。「勝利のスコアを記したい」と熱い。
今回の甲子園を譲った形になる上田さんだが、「少しでも長く（選手とベンチで）一緒にいたいから」と選択に悔いはないという。甲子園ではスタンドに陣取り応援する。ベンチの礒部さんと離れていても、願うのは同じくチームの勝利。試合後には「大舞台はどうだったか、美海に聞きたい」と楽しみにもしている。
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