各地で進む新型コロナのワクチン接種についてです。
京都市では、基幹産業でもある観光事業者を対象にした職域接種が始まりました。
そして、大阪市では、政府が設置した大規模接種センターで2回目の接種が本格的に始まりました。
【芸舞妓ら観光事業者が職域接種】。
新型コロナのワクチン接種で、観光事業者を対象にした職域接種が、京都市のホテルで始まり、京都の花街の芸妓や舞妓たちが接種を受けました。
観光事業者を対象にしたワクチンの職域接種は、京都市内でホテル事業を展開する運営会社が企画したもので、京都市南区のホテルにあるテレワークスペースを活用して行われました。
初日の28日は、150人が接種に訪れ、はじめに京都の花街のひとつ、宮川町の芸妓や舞妓たちが、医師の問診を受けたあとブースに分かれてワクチンの接種を受けていました。
職域接種を行うためには1000人以上の確保が必要で、ホテルの運営会社では、従業員100人に加えてほかの観光事業者にも声をかけて、合同で実施することを決めたということです。
これまでに京都の花街をはじめ、宿泊施設や飲食店、旅行会社など150の企業と団体から接種の希望が寄せられているということで、今後、あわせて3000人を対象に接種を進めることにしています。
接種を受けた10代の舞妓は、「お客さんと近い距離で話をすることが多いので、ワクチンを接種することで安心してもらえると思う」と話していました。
企画したホテルエムズの和田真哉 総支配人は、「ワクチンの接種を進めることが京都の観光業の復活のカギだと思っている。多くの希望者に接種してもらい万全の体制で観光客を迎えたい」と話していました。
【大規模接種センター 2回目接種本格的に】。
政府が大阪市に設置した新型コロナウイルスワクチンの大規模接種センターで、28日から2回目の接種が本格的に始まりました。
政府が設置した大規模接種センターでは、先月24日から大阪市の65歳以上の高齢者に接種を始めたあと段階的に対象を拡大し、現在は、接種券を持つ全国の18歳以上を対象とし、一日およそ5000人に接種が行われています。
使われているモデルナのワクチンは、1回目と2回目の間隔の目安が4週間から6週間とされ、センターでは特に希望がない場合は間隔を5週間としているため、28日から2回目の接種が本格的に始まりました。
接種を終えた大阪・北区の79歳の女性は「2回の接種が終わって一安心ですが、今後も友達と話すときは距離をとり、長話をしないなどの感染対策を続けたいです」と話していました。
また、大阪・東住吉区の75歳の女性は「周りにもうつしづらくなると思うので、安心しています。今後も人混みを避けるなど行動には気をつけたいです」と話していました。
大阪のセンターでは、今後の予約枠は2回目の接種を受ける人でほぼ埋まっていて、1回目の接種については28日から一日あたり75人の予約枠が追加されましたが、現在、受け付けている来月4日までの分は、すでに埋まっているということです。
防衛省は、予約がない人は接種できないため、必ず予約したうえで来場するよう呼びかけています。
【若い世代へ呼びかけ強化】。
人気タレントが所属する吉本興業の新型コロナウイルスワクチンの職域接種を視察した河野規制改革担当大臣は、ワクチン接種は自分だけでなく周りの人を守るためにも大事だとして、今後、若い世代への呼びかけを強化していく考えを示しました。
河野規制改革担当大臣は28日、東京・新宿区の吉本興業東京本社を訪れ、所属タレントや社員、それに家族を対象に始まった職域接種を視察しました。
そして、接種を終えたタレントとそろって取材に応じました。
ペナルティのヒデさんは「お客様に少しでも安心と安全を提供できたらと思い、打たせてもらった。まったく痛くなくて驚いた」と話していました。
また、サバンナの高橋茂雄さんは「芸人や家族がワクチンを打っている姿を見てもらい、みんなが安心にちょっとでも近づけたらいいなと思う」と話しました。
河野大臣は「『若いから軽症で済むし、接種が面倒だ』と思っている方も結構いるようだが、後遺症が出る人もいる。家族や仲間を守る視点からも、接種が大事だとしっかり浸透させたい。同世代の人や若い世代の人がよく見ている人たちから呼びかけてもらうのがいちばん大事だ」と述べ、若い世代への呼びかけを強化していく考えを示しました。
一方、河野大臣は、アレルギーなどで接種できない人に対しては、社会全体で配慮する必要があるという認識を重ねて示しました。
これに続き、河野大臣は、出版や動画配信などを手がける東京・中央区の「KADOKAWAグループ」の接種会場も視察しました。
このあと記者団に対し、申請の受け付けを一時休止している職域接種について「一日の配送可能量を精査しており、終わりしだい、できれば今週中に状況を発表したい」と述べました。
【吉本興業大阪本社でも職域接種】。
吉本興業の大阪本社でも所属する芸人やタレントのほか、社員やその家族などを対象にした職域接種が始まり、初日の28日は280人が接種を受けました。
このうち、ことし3月、自身が新型コロナに感染した落語家の月亭八光さんは、夫婦で接種を終えたあと、「打つまでは怖い気持ちがあったが、全く痛くなかった。いまはすっきりした気持ちです。商売柄いろんな人に会うためワクチンを打つことは決めていたので早いタイミングで打つことができてうれしいです」と話していました。
また、お笑いコンビ「ハイヒール」のモモコさんも、夫とともに接種を受け、「さすがにちくっとするかと思ったが、今まで生きてきて、打った注射の中でいちばん痛くなかった」と振り返っていました。
【“「呼びかけ方」がポイント”】。
政府の分科会のメンバーで行動経済学が専門の大阪大学の大竹文雄特任教授は若者の接種率向上のポイントは「呼びかけ方」にあると指摘します。
例えば“ワクチン接種で大切な人に安心して会いに行けます”というメッセージ。
ほかの人のためだけではなく自分のためという意味も込められます。
大竹特任教授は「利己的なメリットと利他的なメリットをあわせたメッセージが大事。ワクチン接種であなたの大切な人に安心して会いに行けますというふうなメッセージは利己的でもあり利他的でもある。ワクチン接種の意欲を高めるのではないか」と話しています。
さらに、海外の例を参考に「優遇措置」を設けることで接種を加速させることが重要だとしています。
「アメリカだとハンバーガーのチケットをもらえるとか。州立大の奨学金を受け取ることができるとか。接種した人に宝くじを導入するという州が結構増えています。受けてもいいが様子を見たい人もいるし、受けたくないけど何かいいことがあったら受けようと、そういう人が多数派。より多くの人が接種することで飛躍的に効果が高まっていく。そういう取り組みをいろんなところでやっていくことが必要」と話しています。
からの記事と詳細 ( ワクチン接種 京都で観光事業者 大規模接種センターは2回目|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp )
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