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Sunday, February 7, 2021

PCパーツのアップグレードってどのタイミングでやればいいの? - GIZMODO JAPAN

asikjost.blogspot.com

ああ、このPCもずいぶん長いこと使っているなぁ~そろそろアップグレードした方がいいかなぁ~とは思うものの、問題なく動いているうちはなかなかできないものです。いざ動かなくなったら大慌てとわかってはいますが、何かきっかけがなければ...。

かく言う私、先日、PCをアップグレードしました。背中を押してくれたのは愛犬のフレンチブルドッグ、レミー。実はこのわんこ(体重17㎏)がデスクトップのタワーに激しい体当たりを繰り返していた結果、とうとうPCのどこかがいかれてしまったのでした。

幸か不幸か、修復不可能なダメージを受けたのはグラフィックボードだけでした。しかし、レミーの一件以前からPCの性能改善を考えていた私は、これを機に、マザーボードとCPUを含むコンポーネントの大半をアップグレードしようと決めました。PCをもう何年もアップグレードしてなくて、ファンが止まらない、ゲームやプログラムが落ちるなど、老化現象が始まっていて、ここ数か月は診断プログラムを繰り返し走らせ、設定をあれこれいじっていました。でも、机の下からタワーをひっぱり出すのはなんとなく先延ばししていました。レミーにお尻を叩かれるまでは。

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さあ、グレードアップするよぉ!
Image: Sarah Jacobsson Purewal/Gizmodo US

愛犬にグラフィックカードを文字どおり本体から叩き落とされて、やっとアップグレードを考えるというのはお勧めできません。コンポーネントは、ブルドックによる壮絶で悲劇的な死を迎える前に交換するべきです。他のコンポーネント(またはデータ)が道連れにされることもありますから。それに、コンポーネントは壊れていなければ、他の構成でテストモジュールや緊急用の予備部品として役立てることもできますが、壊れてしまったら、せいぜい金属スクラップとなるのが関の山です。

閑話休題。PCをアップグレードするのでしたよね? どのような場合にでも通用するような、アップグレードプランはありませんが、一般的なガイドラインと、いつ、何をアップグレードすべきかを判断するための診断プログラムはいくつか用意されています。これらに従って計画を立てれば、まるで昨日、作り上げたかのように、PCを稼働させ続けることができます。

問題を明らかにする

この記事を読んでいるということは、おそらく、PCのアップグレードが必要かもしれないと感じておられるのでしょう。動作がちょっと遅くなったなとか、クラッシュの回数が増えたなとか、もしかしたら、最高の設定で『サイバーパンク2077』をプレイしたいけど、グラフィックカードが2010年製であることが判明したとか。理由はともかく、まず、本当の問題は何なのかを突き止める必要があります。パフォーマンスに問題が生じる原因は、必ずしも古いハードウェアや故障したコンポーネントではないからです。

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筆者の愛犬レミー。グラフィックカードを破壊した件に対する反省の色は見えない
Image: Sarah Jacobsson Purewal/Gizmodo US

PCのコンポーネントはどちらかといえば、かなり長持ちするほうです。ですから、物理的に何度も揺さぶられたり、叩かれたり、フレブルにお尻でドンとやられたりしない限り、あなたが交換の必要性を感じるより早く、長年の使用による消耗が原因で昇天することはおそらくないでしょう(これは不死身だという意味ではありません。老衰で天国に行くとは考えにくいという意味です)。

もちろん、たとえコンポーネントが問題なく動いていたとしても、そこに老いが「感じられる」ようになる日がいつかは来ます。しかし、いつ頃から古くなってきたと感じられるようになるかは、直近のグレードアップ後にテクノロジーがどのくらいの大躍進を遂げたか、購入直後のコンポーネントの印象がいかにすばらしかったかなど、いくつかの要因に左右されます。最高グレードのコンポーネントは、当時の最先端テクノロジー(たとえば、注目を集める前のUSB-Cのような)を使っていることがよくあるため、お手ごろな廉価版よりも多少長く使えます。

そしてもう1つ、外的な要因があります。それは、あなたがそのPCで何をしたいかということです。Twitchのストリーミングゲーマーがアップグレードに求めるものは、フリーのライターとはまったく異なります。たとえ、そのライターがPCのアップグレードに関する記事を専門にしていたとしても。

大至急アップグレードしなければならない状況になるまでには、大半のコンポーネントはふつう4~5年使えるとみていいでしょう。PCで何が必要かではなく、最新のゲームがどのような仕様のPCを求めているかが引き金となるアップグレードもあります。たとえば、グラフィックカードのアップグレード・サイクルは2~3年に1回と短めです。

PCの中には何が入っているか

まず、準備段階として、マザーボード、CPU、グラフィックカード、RAM、HDD/SSD、冷却システム、電源ユニット、筐体、ネットワーキング用デバイスやドライブなど、コンポーネントそれぞれのメーカーと型を調べましょう。HWiNFOCPU-Zのような無料の総合診断ツールをダウンロードして使ってもいいですし、PCを開いて直接確認することもできます。また、PCPartPickerを使って、使用中のコンポーネントを追跡してみると、互換性のあるアップグレード製品を探しやすくなります。

では、PCの何が悪いのか、どう直せばいいのかを判断するにはどうすればいいでしょうか?

スピードが問題だったら

PCの処理速度が遅くなる原因はいくらでもあります。間違いなくコンポーネントが原因のこともあります。RAMが足りないのかもしれないし、ハードディスクがいっぱいなのかもしれません。互換性のないコンポーネントどうしが、どこかでボトルネックを引き起こしている可能性もあります。他にもいろいろ原因は考えられますから、PCが遅いからと、128GBのRAMを買いに出かける前に、念のためハードドライブの中身を整理し、スタートアッププログラムを無効化して、マルウェア/ウイルス対策スキャンを実行してみてください。

もし、PCが一点の曇りもなくきれいで、整理されていて、ウイルスも検索バーもGoogle Chromeの不可解な472個のプロセスもないというなら、おそらくハードウェアのアップグレードが必要です。

RAMをアップグレードする

RAM(ランダムアクセスメモリ)の追加は、簡単で手ごろな(そして、おそらく、472個のChromeプロセス問題も解決できる)アップグレード方法ですが、これはもしそれが必要であればの話です。この「もし」が重要!RAMは、PCの短期記憶装置で、ここにはPCで実行中のプロセスが保存されます。しかし、もし、RAM全体(または大半)を使用していないのなら、いくら追加したところで何も改善されません。たとえば、RAMを一度に6GB程度しか使わないのであれば、PCのRAM容量が8GBでも、128GBでも、大差ありません。

実際にRAMの使用量を確認してみましょう。タスクバーを右クリックして、タスクマネージャーを開きます。「パフォーマンス」タブに進み、「メモリ」をクリックしてください。ここに、RAMの使用量がリアルタイムで表示されます。このウィンドウを開いたまま、いろいろなタスクを実行し、使用量が100%に近づくことがあるかどうかを確認してみましょう。もし、近づくことがあるなら、おそらくRAMをアップグレードするときです。そのためには、マザーボードと現在のRAMの仕様が必要になります。タイプ(DDR2、DDR3、DDR4)、CASレイテンシ、タイミング、電圧が同じであれば複数のRAMを混在させることもできますが……できれば、そうしない方がいいでしょう。

現在の平均的ユーザーが最低限必要としているRAMは8GBです。ゲーマーの場合は少なくとも16GBは欲しいところ。32GBといわれるかもしれませんが、ほとんどの人にとって(ゲーマーであっても)32GBは多すぎます。特に何かに使う予定もないのにすでに32GB以上のRAMがインストールされている場合には、PCが遅い原因はRAMではないでしょう。

SSDを追加する

ハードドライブ領域——つまり、SSD(ソリッドステートドライブ)——も簡単に追加できます。これもけっこう万能な手段で、特に、いつでもより大きな記憶領域を必要としている私のようなものにとっては意味のあるアップグレードです。

現在のハードドライブ領域の大きさを確認するには、まず、スタートボタンを右クリックし、「エクスプローラー」を選択して開きます。メインのディスクドライブを右クリックして「プロパティ」を開くと、そのディスクの空きスペースの概要情報とグラフが表示されます。ディスクの断片化を避けるには、最低でも15~20%の空きを確保しておくのがいちばんと言われます。

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筆者の古いマザーボード
Image: Sarah Jacobsson Purewal/Gizmodo US

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新しいマザーボード!
Image: Sarah Jacobsson Purewal/Gizmodo US

クラッシュが問題だったら

PCがクラッシュを繰り返すからといって、ただちにアップグレードが必要というわけではありません。しかし、その原因がコンピューターの速度低下と同じであることもよく見受けられます。まず、ディスクとドライブをクリーンアップして、スタートアップメニューから不要なデータを削除し、マルウェアを退治します。また、ドライバーをアップデートし(私のPCでは、クラッシュの4回に3回はおそらく古いNvidiaドライバーが原因だったと思われます)、クリーンアップソフトウェアを実行してみるのもお勧めです。

PCがクラッシュしたけれど、原因に心当たりがないという場合には、コントロールパネルの「信頼性モニター」をチェックしてみてください(タスクバーの検索機能を使えば簡単に見つかります)。信頼性モニターには、これまでのPCの安定性の推移と、重要なイベント(赤色の×)および警告(黄色の!)の履歴が表示されます。日付をクリックすると、その日に起きたインシデントの詳細が表示され、うまくいけば、クラッシュの原因もわかります。信頼性モニターでは、なぜPCがクラッシュしたかについて、必ずしも、明快な答えを得られるわけではありませんが、問題のパターンや、原因となっている可能性のあるプログラムを識別するのに役立ちます。

温度が問題だったら

Netflixを見ているだけなのに、PCがクラッシュを繰り返し、ファンが全速力で回り続けているとしたら、それはPCの温度が上がりすぎているサインです。熱はPCにとって致命的ですから、火花が散りだすまで待っていてはいけません。温度変化を記録して診断するツール(たとえば、私のお気に入りはCoreTemp)をダウンロードして、実行中の正確な温度を確認してみましょう。CoreTempを実行すると、タスクバーにCPUコアの温度を表すアイコンが表示されますので、いろいろな作業を行ないながら、温度の変化を観察できます。

理想的な動作範囲やゲーミング温度の上限については、CPUによって多少異なりますので、使用しているCPUのモデルを正確に調べて(CoreTempのサマリー画面には、この情報が表示されます)、安全な範囲を見つけましょう。CPUの種類によって多少異なるとはいえ、コアの温度には一般的に上限がありますから注意してください。PCが何もしていない場合(アイドル状態)の理想的な温度は約40℃です。ゲームなどでPCを激しく使用している場合は70~80℃になります。たまにそれより高くなることがあっても、その状態が長く続かない限り心配ありません。

PCを掃除する

さて、稼動中のPCの温度が高すぎることがわかったとしましょう。犯人は十中八九、ホコリです。ホコリはファンやヒートシンクに詰まり、筐体のありとあらゆる通気口をふさぎます。そして最終的には、かつて適切に冷却されていたシステムだったものを、CPUに死をもたらす熱い金属の箱に変えるのです。圧縮空気のスプレー(エアーダスター)、静電気防止ブラシ、イソプロピルアルコール、綿棒、ゴーグルを用意し、筐体に溜まったホコリをすべて追い出しましょう。掃除後、PCの温度の下がりっぷりにびっくりすること間違いありません。注意:回転するコンポーネント(ファンなど)は圧縮空気で傷つくことがありますので、ブラシや、アルコールを含ませた綿棒できれいにしてください。また、掃除機は使わないでください。

PCを外に出したついでに、CPUとヒートシンクの間の放熱グリスも交換してはいかがでしょうか。通常、放熱グリスの効果は2~3年持続するので、乾ききった放熱グリスがすべての熱問題の原因とは考えられません。しかし、PCを自作したのではない場合、または放熱グリスがあらかじめ塗布されたCPU冷却装置を使用している場合には、高品質の放熱グリスを塗るチャンスです。ちなみに私のお気に入りはArctic MX-4です。

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放熱グリスの交換時期かも
Image: Sarah Jacobsson Purewal/Gizmodo US

冷却システムをアップグレードする

どんなに念入りに掃除をしたところで、冷却システムの能力が劣っていたらどうしようもありません。冷却システムをアップグレードするには、ケースファンを追加するのがいちばん簡単です。ケースファンは安価で、筐体の中にスペースがあれば、どこにでも取り付けられます(スペースがない場合には、筐体をアップグレードして、大きくすることを検討してみましょう)。ケースファンはマザーボードに接続されますので、マザーボードに十分なコネクタがあるかどうかを確認する必要もあります。また、ファンは必ず正しく設置しましょう。熱い空気を筐体の外に出すことが目的なのに、ファンどうしが相手に向けて空気を送りあっていてはどうしようもありません。

システムをさらに強化したい(たとえば、CPUをオーバークロックできるようにしたい)なら、液体冷却へのアップグレードが必要になります。ただし、これを実行に移す前に、互換性をしっかり確認してください。液体冷却システムを搭載するには、大きな(または異なるタイプの)筐体と強力な電源ユニットが必要になることがありますが、筐体を変更するということは、新しいコンピューターを1から組み立てるようなものですから。

『サイバーパンク2077』を実行できないなら

この問題は、新しいグラフィックカードへの交換で解決されるかもしれませんし、その必要はないかもしれません。しかし、『サイバーパンク2007』に限らず、グラフィックが魅力的な最新流行のレイトレーシングゲームをプレイしたいなら、それに対応したグラフィックカードが必要です。この件については、他にほとんど言うことはありません。今のグラフィックカードではどうにもならないゲームをプレイしたいなら、グラフィックカードをアップグレードするしかないからです(他のコンポーネントが妨げになっているならば、そのアップグレードも必要です)。

グラフィックカードのアップグレード方法は2通りです。1つには、多少パワーは小さいが、手ごろな価格のグラフィックカードを2枚購入し、NvidiaのSLIテクノロジー、またはAMDのCrossFireテクノロジーを使って、いっしょに使用します。または、強力で高価なグラフィックカードを購入して取り付けます。こうすれば、何も気にせず、思う存分ゲームを楽しめます。

複数のグラフィックカードを使う

グラフィックカードのアップグレード・サイクルは、他のコンポーネントよりも短くなりがちです。その原因の1つが、グラフィックカードの過剰な売込み合戦。つまり、比較的新しく、妥当なグラフィックカードが入っているのに、アップグレードの時期かなと感じられてしまうのです。もしそうだとしたら、1枚の新しい超強力グラフィックカードではなく、適切で比較的新しいグラフィックカード2枚にしたほうが、お金を節約しながら、グラフィック性能を大幅に高めることができます。

ただし、多少、注意していただきたいことがあります。まず、2枚のグラフィックカードをいっしょに使う場合には、2枚とも同じ仕様のカードでなければなりません(メーカーは違っていてもOK)。次に、マルチカード構成で使用できないグラフィックカードもありますし、すべてのマザーボードがマルチカード構成をサポートしているわけではないのでご注意を。必ず、使用するグラフィックカードとマザーボードの相性を確認してください。また、筐体のサイズ(グラフィックカードが2枚になると、必要なスペースも2倍になります)や電源ユニット(グラフィックカードが2枚になると、2倍のパワーが必要です)など、システム構成上の問題が出てくる可能性もあります。熱についても考慮しなければなりません。グラフィックカード1枚でも大量の熱を放出しますから、ましてそれが2枚になったら...。

実を言うと、最新世代のグラフィックカードでは、SLIまたはCrossFireでのデュアルGPUは現実的ではありません。最新のグラフィックカードが超強力だからというだけでなく、NvidiaのRTX 3000カードはSLIのサポートを止めましたし、SLIのサポートによるフレームレートの向上も当然のことながら見込めません。どうしてもデュアルGPUを使わなければならないという場合には、NvidiaまたはAMDの古いカードを最大限活用しましょう。

いちばん簡単なのは、おそらく、最新の強力なグラフィックカード1枚にアップグレードすることです。もし、売り切れる前に手に入れられるならの話ですが。

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