目が不自由な人向けに文字媒体の点訳に取り組む高松市のボランティア団体「点字サークル・ライト」が創設25年を迎えた。バスの時刻表や大相撲の番付表、料理レシピ、電化製品の説明書……。多様な要望に応え、視覚障害者の情報保障を長年にわたって支えてきた。節目を迎え、メンバーらは改めて気を引き締めている。
発足は1995年6月。「レストランのメニューを読みたい」という視覚障害者の思いをかなえようと、有志が集まったのが始まりという。現在は19人のメンバーで活動している。要望に誠実かつ忠実に応えるのが、サークルのモットーだ。
点訳するのはさまざまだが、コーラス用の歌詞や新聞に掲載されている高校駅伝の結果など視覚障害者個人の趣味や関心に基づくものが多い。ごみの出し方を説明した冊子など日常生活に欠かせない情報の依頼もある。
作業はメンバーで分担し、「点筆」と呼ばれる針で視覚障害者が触れる突起部分を作っていく。1人のメンバーが手がけた点訳に対しては必ず別の誰かが誤りがないかチェックする。突起の位置がずれていたら意味が通らなくなるためだ。最近は点筆ではなく、パソコンの専用ソフトを使うことも増えている。
代表の益田隆子さん(70)は「『ありがとう』『助かった』と言われることがやりがい」と笑顔で話す。こうした感謝の言葉が何よりも、活動に力を与えるという。
公立図書館で活用してもらおうと、サークルでは絵本の点訳にも力を入れている。文字情報の翻訳に加え、イラストの部分にも絵の形に合ったシールを貼る。見ることはできなくても、触れることでどんな絵か想像することができる。こまやかな配慮を欠かさない。
3年前からは月1回メンバーが高松刑務所(高松市)に出向き、受刑者に点字を教えている。小学校での出前授業も定期的に行っており、普及啓発も大切な取り組みだ。サークル内での交流も含め、点字を通してメンバーたちもまた、社会とのつながりや新たな出会いを得てきた。益田さんは「知らない世界を知ることができる楽しさがある」と話す。
活動開始から四半世紀。設立当初のメンバーはもう残っていないが、大切にしてきた思いは着実に受け継がれている。副代表の多田恵美子さん(68)は「これからも誠実にコツコツと、できることをやっていきたい」と語る。目の不自由な人にとっての文字通り光となるため、歩みを続ける。【金志尚】
点字
フランスで全盲のルイ・ブライユが1825年に考案。日本語対応表記は東京盲啞(もうあ)学校教諭だった石川倉次らの尽力で、90年に採用された。計6点の組み合わせで仮名や数字、アルファベットのほか、句読点や疑問符などを表す。横書きで、突起状の点字を左側から読み取る。同音異義語など分かりづらい語句の場合は点訳者が注釈を入れることもある。
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「メニューを読みたい」が始まり 香川の点字サークル「ライト」発足25年 - 毎日新聞 - 毎日新聞
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