能登半島地震の発生から19日、七尾市では仮設住宅の建設が始まりました。避難所には約1万6000人が身を寄せていて、安心して暮らせる場所の確保が急がれます。
■自宅が倒壊…17時間生き埋めに
17時間生き埋めとなった林淳彦さん(62)
「私、ここから出されたんです。奥の方に私いたんです」
能登半島地震で自宅が倒壊。約17時間、生き埋めになった後、救助された林淳彦さんです。
17時間生き埋めとなった林淳彦さん
「四方から(家が)潰れるのを私見ました。目の前で。倒されちゃって、全然動けなくなっちゃったんです。そして周りが真っ暗になってしまったし、『おーい返事してくれ』と言うんですけど、返事もないし、暗いし、体も動かない」
大声を出し続けた林さん。そばには介護ベッドで寝ていた、90歳の母親・喜美子さんがいました。一緒に生き埋めになっていたのです。ただ、母親の声は聞こえてきませんでした。
2階から放り出された林さんの兄が消防隊員らを呼び、約17時間後に救出された林さん。
17時間生き埋めとなった林淳彦さん
「(この小さい穴からレスキューの方が入ってきた?)はい、入ってくれました」
その後、2日かけて救出された母親の喜美子さん。死因は足でした。
17時間生き埋めとなった林淳彦さん
「横にいても身動き取れないから助けることもできないから、そういう思いでは『お母さんごめんなさい。勘弁してくれ』それしかないですね」
すぐそばにいながら助けることができなかったという無念さ。その一方で自宅が全壊し、これからどう生活していくかという厳しい現実もありました。
石川県ではこれまでに災害関連死14人を含む、232人の死亡が確認されていて、安否が分からない人は22人となっています。
■仮設住宅の建設始まる
石川県の馳知事は発災後、穴水町を初めて視察。穴水町だけで被害に遭った住宅は1000棟に上っています。被災者は馳知事にこう訴えました。
被災者
「仮説(住宅)はね少ないでしょ。数が。いま全壊という人が多いもんだから、申し込んでも中々入れないんじゃないかと」
石川県 馳浩知事
「いまつくり初めています」
石川県内では応急仮設住宅への入居申請が少なくとも5300件を超えています。仮設住宅の着工は県内各地で始まっていて、県内最大の約8300棟を超える住宅被害となった七尾市でも20日から建設が始まりました。仮設住宅は1カ月ほどで完成する予定で、第一弾として30戸が建設されるということです。
■避難所に念願のユニットバス
その七尾市の中島町にある避難所です。20日、ボランティア団体の協力を得て、念願のユニットバスが届きました。手すりも付いた立派なお風呂。思わず手を合わせる人もいました。
コミュニティセンター西岸分館職員 赤坂美香さん
「涙が出る。良かった。本当にお風呂に入ってない方たちがたくさんいるの」
災害NGO結 前原士武さん
「あたたかいお風呂に入ったらね、心も体もあたたかくなるけん」
町内に自衛隊の仮設風呂がありますが、被災後一回も風呂に入っていない人もいるということです。
被災地NGO恊働センター 吉椿雅道さん
「自衛隊のお風呂があるんですけど、(午後)2時に整理券を取りに行って予約をして、また夜に来るのでけっこう手間なのと、湯冷めするでしょ。そういうのもあるので」
特に高齢者の場合、移動するだけでも大変だといいます。
コミュニティセンター西岸分館職員 赤坂美香さん
「本当にありがたいなと思って感動しちゃう」
▶【能登半島地震 被害状況マップ】災害をとらえた映像を地図上に表示
からの記事と詳細 ( 能登半島地震から19日 仮設住宅の建設始まる [2024/01/20 19:12] - テレビ朝日 )
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