iPS細胞などから、ヒトの受精卵(胚〈はい〉)に似た構造を作り、体ができる初期段階を再現することに京都大iPS細胞研究所などのグループが成功し、5日英科学誌ネイチャー(https://www.nature.com/articles/s41586-023-06871-2)に発表した。ヒトの発生や不妊の仕組み解明につながると期待される一方、急速に進む技術をどう位置づけるか世界中で議論されている。
精子と卵子が受精してできた胚が子宮に着床し胎児に育っていくが、初期に胚が成長する仕組みはよくわかっていない。動物とヒトには違いがあり、ヒト胚でないとわからないことが多い。しかし、人間に育つ本物のヒト胚の研究は倫理的に制限されている。着床後の胚を観察することもむずかしい。
そこで、ヒトの発生の仕組みを理解する研究手法として、iPS細胞や受精卵から作る胚性幹(ES)細胞といった多能性幹細胞を使い、胚そっくりな構造「胚モデル」を作る研究が進められてきた。これらの細胞は大量に作製でき、研究の制限はない。
胎児が育つには、体を作る細胞、栄養や成長するための信号を送る「原始内胚葉」になる細胞、母親と胎児をつなぐ胎盤になる細胞の3種類の細胞が必要だ。
グループは普通のiPS細胞よりも発生の初期段階の細胞に近い「ナイーブ型多能性幹細胞」を2014年に作製した。この細胞と、グループが開発した方法で原始内胚葉に分化させた細胞を、いっしょに培養すると着床前の胚モデルができた。
さらに、将来胎盤になる細胞…
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