ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナの現状を伝えようと、現地のイラストレーターらが制作したポスターの展示会が横浜市で始まりました。
「49枚から繋がる」と題したこの展示会は横浜市の「かながわデザイン機構」が開きみなとみらい駅の改札近くのギャラリーには現地のイラストレーターが制作したポスターなど、49点が展示されています。
このうちキーウに住むイラストレーターオレフ・グリシェンコさん(38)の作品は、本が大きな壁になって人々を守っている様子を描いています。
また同じくキーウ在住のマリヤ・キノヴィッチさん(31)の作品は、ウクライナを象徴する花として親しまれているひまわりに焼け焦げた穴が空いていて、日常が一瞬で失われた悲しみを表しています。
会場ではウクライナから日本に避難している人がつくった手芸品やウクライナのワインなどを販売していて、利益は現地に毛布やカイロを届けるために活用するということです。
会場を訪れた88歳の女性は「戦争に反対だというメッセージが伝わってきて胸が詰まる思いです。どうすれば戦争が終わるのか、みんなで考えないといけないと思います」と話していました。
75歳の男性は「ほかの戦争もあるが、ウクライナの大変な状態がまた頭に浮かんで、何もできないことをつらく感じました。何か踏み込んだ支援ができたらいいのにと思いました」と話していました。
主催した「かながわデザイン機構」の岩本凉子さんは、「現地の人たちの気持ちがダイレクトに伝わってくるポスターです。メッセージを受け取って、自分に何ができるのか考えていただきたい」と話していました。
この展示会は「サブウェイギャラリーM」で来月5日まで開かれています。
キーウ在住のイラストレーター、オレフ・グリシェンコさん(38)は、今回の展示会を通じて日本の人たちにウクライナの現状を知ってほしいと訴えています。
今回出展した、本が壁になって人々を守る作品はウクライナ文化への誇りとともに文化が人々を守り、力を与えてくれるという願いを込めたということです。
自分にできることをしようとイラストで現状を発信していますが、いつ攻撃を受けるかわからない緊張状態が続いているため、精神的に不安定になっているということです。
オレフさんは「気持ちが高ぶっているときはイラストを通じた活動をできるが、気分が沈んで何もできないと感じるときもあり、まるでブランコのように2つの状態を行ったり来たりしている」と話していました。
そして「いまのウクライナ人の気持ちを伝えることができるので、展示会の開催に感謝している。ウクライナのことを忘れないでほしいし、引き続き支援が必要だと伝えたい」と話していました。
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