多頭飼育が起きた北海道・雄武町にある牧場。放し飼い状態のため周辺に危険を及ぼす可能性があることからボランティアらが支援に乗り出しました。これほどまで増えた原因とは。
威嚇するように吠えるイヌ。コバエが飛び交う中でじっとしているイヌも。「多頭飼育崩壊」が起きたのは、雄武町にある廃業した牧場です。
鈴木麻友記者)
「現在、イヌは仕切りが設けられて隔離されている状態です。成長したイヌもいれば、このようにまだ体の小さいイヌもたくさんいます」。
イヌの数は、およそ50匹。牧場主の70代の男性が管理しきれなくなって甥に相談。今年5月、動物愛護ボランティアが対応に乗り出しました。
牧場主の甥・川田剛文さん)
「(叔父が)産ませないための施設作りをしていたが、上手くいかなかった。餓死して死なせないようにと、ドックフードなどのエサを買い与えていた」。
多頭飼育の始まりは、10年ほど前。牧場にオスとメスの2匹の野良犬が紛れ込み、牧場主の男性が「かわいそうだ」とエサを与えたことがきっかけでした。経済的負担が大きいことなどを理由に、不妊や去勢の手術はしませんでした。
数は次第に増えていき、放し飼い状態のイヌが別の牧場や住宅の敷地まで入り込んで、苦情も。
牧場主の甥・川田剛文さん)
「分かっていてもどうすることもできないのが歯がゆかったというのは(叔父から)聞きました」。
人に慣れていないイヌの捕獲は難航。ボランティア総出で1匹ずつ捕まえます。
鈴木麻友記者)
「鎮静剤を打ったイヌは、移動式の車で手術を受けます」。
去勢の手術に協力した、江別市の動物病院。牧場での多頭飼育は、10件ほど経験したと言います。
モービルベットオフィス代表・大門正明さん)
「酪農家や農家は暖かい場所があったり、近くに人がいてエサをくれる環境だと、イヌやネコが増える環境は揃っているという印象」。
また、多頭飼育についての理解が追いついていないことも原因だと指摘します。
モービルベットオフィス代表・大門正明さん)「『何が悪いのかが分からない』とか、『え、そんなことがあるの?』という認識なので、農家や酪農家で『うちも実は増えているな』」という方で、手術をして増やさないという選択をする人が増えてくれば」。
2日間で19匹の手術とワクチン接種を終え、残りのイヌへの処置も進めながら、里親を募るということです。
牧場主の甥・川田剛文さん)
「まずは1匹も増やさないように管理していくと共に、人間に今後慣らしていって、最終的にはイヌが少しでもほかの愛好家の方に受け入れてくれるところまで面倒を見ていけたらと思う」。
動物を飼う責任。飼い主には、命を預かるという自覚と正しい知識を持つことが求められます。
からの記事と詳細 ( 始まりは紛れ込んだ2匹の野良犬 10年で約50匹に 牧場の多頭飼育を ... - HTB北海道ニュース )
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