SPiNは昨年8月に関西発のオーディション「SSS PROJECT - DANCE & VOCAL GIRLS AUDITION -」で誕生したガールズグループ。Jam9のGiz'Mo(Rap)はオーディション時からサウンドプロデューサーとしてSPiNの作品に携わってきた。SPiNは結成から1年を経て、オーディションファイナルの会場だったBIGCATに再び立ち、縁の深いJam9とツーマンライブを実施。この1年間で磨き上げてきたパフォーマンスをオーディエンスの前で披露した。
まずステージに姿を現したJam9は「Radio Spectrum」でさわやかにライブを開始。彼らが心地のいいサウンドと穏やかな歌声で場内を満たすと、オーディエンスは一斉に手を上下に揺らして盛り上がった。「皆さんと夏のいい思い出を作りにやってきました!」とGiz'Moが告げ、披露したのは「夢中になれ」。「描いた世界に手を伸ばせ」「立ち上がれ」と彼らはあきらめずに前に向かって進んでいく意思を歌い上げた。
イシノユウキ(Vo)は「今日ここに来たときに『BIGCATに来るのって十数年ぶりだよね』という話をしていて。2005年に大阪でオーディションがあって、それに僕らは応募して決勝に残って、BIGCATに来たことがあるんです。その結果どうなったと思います? 決勝に出場していたアーティストの中で賞が取れなかったの、俺たちだけなんですよ」と笑いながら振り返る。Giz'Moも「関西を中心に活動してる人が応募条件だったのに、僕らは静岡から応募していたんですよ」と当時を回想し、「1年前にSPiNのオーディションで『オーディションの結果がすべてじゃない』と言いました。僕らは昔オーディションが終わったあと『なんだよ』と思ったけど、へこたれずにずっと続けてきて、またこうやってBIGCATに帰って来ることができた。それは素敵なことだなと思っています」と晴々と語った。
2003年に結成され、今年で活動20周年を迎えたJam9は、自分たちの旅路について葛藤も希望も描いた楽曲「About Time」を歌唱。そして「arise」を通して、ポジティブなメッセージをオーディエンスに贈った。さらにこれまでSPiNの成長を見守ってきたGiz'Moが現在の心境を即興ラップで伝える場面も。Giz'Moは愛あふれるラップで「きっと目には見えない大変なこともあったと思う。それを乗り越え、1年経ってこの場所でまたみんなの前に立って歌を歌う、それってすごいこと」と1年間がむしゃらに前に進み続けてきたSPiNの軌跡を讃えた。
温かなクラップで会場がひとつになった「BORDER」を経て、Jam9はゲストアーティストとして事務所の後輩でもあるCLEEM MIKUをステージに迎え入れた。Jam9とCLEEM MIKUは拳を突き上げて「PENETRATE-feat. CLEEM MIKU-」を歌い上げる。そして最後にJam9は「名前」を優しく届け、会場を温かな空気で包み込んでSPiNにバトンを渡した。
強い光を背に受け、ステージに登場したSPiN。メンバーは全員でステージの前方に進み出ると、力強い眼差しで「CHECK MATE」をパフォーマンスし、あふれんばかりのエネルギーを放った。続いて彼女たちが踊り始めたのは、1年前にもこのステージで披露した楽曲「S.A.L.A.N」。1年間にさまざまな経験を積み上げたことで研ぎ澄まされたSPiNのボーカルとダンスは、ライブ序盤からオーディエンスに強いインパクトを与えた。楽曲の合間にはメンバーがダンスパートを展開する。彼女たちは和の雰囲気が漂うトラックに合わせてフォーメーションダンスを繰り広げたあと、1人ずつソロダンスを行い、それぞれの魅力を発揮。さらに一糸乱れぬシンクロダンスも見せ、オーディエンスを圧倒した。
一度メンバーがステージをあとにし、ステージに現れたのはREINAとYUMENA。2人は花火の映像をバックにDaokoの楽曲「打上花火」をカバーし、切なくも美しい歌声を重ねた。続いてSHURIとYUUが「secret base~君がくれたもの~」を歌唱。透明感のある歌声を響かせる2人の後ろで、K.SAKURAがエモーショナルなダンスで情緒的な世界観を表現した。そしてメンバー全員でJam9が提供したDREAMの楽曲「ヒマワリ」をにぎやかに届ける。SPiNとオーディエンスはタオルを振り回し、夏の空気があふれるカバーブロックを楽しんだ。時計が巻き戻る映像が流れると、SPiNは「Let You Go」から順に、インストに合わせてリミックスダンスメドレーを披露。3人や5人など、組み合わせを変えて鮮やかにパフォーマンスを繰り広げた。
ここまで凛とした佇まいでクールな面を見せてきたSPiNだが、7月に配信リリースした楽曲「Just 4 U」では笑顔で軽やかにステップを踏む。OTOHAが白い衣装をひらひらとはためかせながらステージを舞い、スタートしたのは冬のバラードソング「Powder Snow」。切ない恋心を感傷的に歌い踊り、多彩な表現でオーディエンスを魅了した。
MCを挟まず、ノンストップで気迫のこもったパフォーマンスを届けてきたSPiN。「これで最後の曲なので、皆さん楽しんでいきましょう」というREINAのひと言を経て、彼女たちが最後に披露したのはオーディションの課題曲「Let You Go」だった。SPiNはオーディションのときよりもさらに輝きを増した姿で、「この世界を変えて行こう」と初心とも言える思いをまっすぐに歌い上げる。スクリーンにはメンバーそれぞれのファンへのメッセージが映し出され、その言葉には未来への希望が満ちあふれていた。
アンコールを求める声に呼ばれ、再びステージに登場したSPiNは新曲「Growin'」を初パフォーマンス。ラテンの雰囲気を感じさせる新機軸のサウンドに乗せて、開放感たっぷりに歌声を響かせた。ここでJam9もステージに合流。「Growin'」を提供したGiz'Moは「こういうふうになるんだろうなと想像してたんですけど、それ以上になっていたので、カッコいいなと思って。素敵でした!」と声を弾ませた。Giz'Moは「ずっとSPiNの曲を書かせてもらっていて、いつも思っていることがあって。今のSPiNだからこそ歌ってキラッとするような曲を作ってあげたいなとすごく思ってるんです」と愛情を全開にし、「Growin'」について「1年間に積み上げてきたものがあるから説得力のある歌詞にしたかったんですよ」と述べた。
その後Jam9とSPiNはこの日ならではのコラボパフォーマンスを披露した。まずはJam9の楽曲「ARE YOU READY」を熱唱。そしてSPiNにとっての始まりの曲「Let You Go」をJam9の歌声とラップを交えて華やかに届け、ツーマンライブを笑顔で締めくくった。
「Jam9 × SPiN ツーマンライブ 2023」2023年8月28日 BIGCAT セットリスト
Giz'Mo
01, Radio Spectrum
02 夢中になれ
03. About Time
04. arise
05. BORDER
06. PENETRATE-feat. CLEEM MIKU-
07. 名前
SPiN
01. CHECK MATE
02. S.A.L.A.N
03. 打上花火
04. secret base~君がくれたもの~
05. ヒマワリ
06. SPiN Remix Danceメドレー
07. Just 4 U
08. Powder Snow
09. Let You Go
<アンコール>
01. Growin'
02. ARE YOU READY / Jam9 feat. SPiN
03. Let You Go / SPiN feat. Jam9
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