ChatGPTなどの対話式AIでは、AIが十分に学習できていない分野で誤った内容をあたかも事実かのように回答してしまうケースや、存在しない事実をつくりあげてしまうケースもあります。
IT大手のグーグルが開発した対話式AI「Bard」では「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による発見を9歳の子どもにわかりやすく説明してほしい」という質問に対して、対話式AIが「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は、太陽系外の惑星の写真を初めて撮影した」と回答しました。
しかし、実際には、太陽系外の惑星の写真は2004年にヨーロッパ南天天文台が南米チリで運営するパラナル天文台の別の大型望遠鏡が撮影していて、この回答が誤りだったことをグーグルがことし2月に明らかにしました。
アメリカの経済チャンネルCNBCは、ネット通販アマゾン・ドット・コムでChatGPTによって作成されたとみられるレビューが複数見つかったと今月25日、報じました。
さらに対話式AIは出版業界でも混乱をもたらしています。
アメリカ東部ニュージャージ州にあるSF雑誌を発行する「ワーム出版」では、AIが書いたとみられる作品の応募が増えているといいます。
ChatGPTが登場して以降、その数が急増し、ことし2月には500件以上になりました。
人間が書いたものか、AIが書いたものか、すぐには判断できず、一時作品の募集を中止せざるをえなくなりました。
編集長のニール・クラークさんは「SNS上で作品を書く方法やその投稿先を紹介していた。同業者のなかにはもう作品の募集をしないという人もいる。そうやって扉が閉まるたびに業界は打撃を受ける」と話していました。
また、文章で指示を出すだけでオリジナルな画像を作成できる画像生成AIの分野では、著作権の侵害をめぐるトラブルも起きています。
画像生成AIソフトにあらかじめ学習させる画像データがどこから収集されたものなのかあいまいなケースや、使用の許可をとっていないケースが多いためです。
アメリカでは許可なく自分のアートをAIに学習され、画像を生成されたとしてアーティストが著作権の侵害を理由にAIソフトを運営する会社を相手に集団訴訟を起こす動きも出ています。
集団訴訟に加わったサンフランシスコに住む、アーティストのカーラ・オーティスさんは自分の作品を許可なくAIの学習に使われ、似た作品を作られたと主張しています。
オーティスさんは「作品は私のアイデンティティーだ。それを盗まれたような気がした。対応する法律もないので、集団訴訟に加わった」と話していました。
画像生成AIのソフトでは作風も指示できるため、特定のアーティストの作品を事前に複数学習させておけば、そのアーティストの作品とそっくりなアートを生み出すことも可能になってしまうため、アートで生計を立てている人にとっては死活問題だという懸念の声が高まっています。
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