安倍元総理大臣の「国葬」の演出などの業務を、過去に「桜を見る会」を担当したイベント会社が落札したことについて、松野官房長官は、一般競争入札で1社のみから入札があったと説明し、手続きは適正に行われたという認識を示しました。
今月27日に行われる安倍元総理大臣の「国葬」について、式典の企画や演出などの業務を、過去に「桜を見る会」の会場の設営を担当した東京都内のイベント会社「ムラヤマ」が1億7600万円で落札しました。
松野官房長官は、5日午前の記者会見で「『国葬儀』の企画、演出および警備などの業務については所定の手続きのもとで、一般競争入札を実施した結果、『ムラヤマ』1社から入札があり、落札が決定した」と説明しました。
また、松野官房長官は、今回の入札に際し、業務を落札した会社側と、事前に個別の打ち合わせを行うようなことはなかったのか記者団に問われ、「事前の個別打ち合わせを含め、特定の業者に便宜を図ったなどの事実は一切ない」と述べ、入札手続きは適正に行われたという認識を示しました。
そして、午後の記者会見で「先月17日に一般競争入札の公告を行い、22日に開催した入札説明会の際には複数の社の参加があったが、結果として、今月2日に『ムラヤマ』1社から入札があり 落札が決まった。今回の入札は適正な手続きに基づいて行ったものである旨を今後も説明していきたい」と述べました。
立民や共産「入札は“随意契約”や出来レースに見られるのでは」
出席した議員が、落札の経緯について、「入札には1社のみが参加していて、国民から、事実上の随意契約や、『出来レース』に見られるのではないか」と指摘しました。
これに対し、内閣府の担当者は「一般競争入札なので、事前の説明会に参加したほかの会社も含めて、それぞれが入札をするかどうかを判断したと思う」と説明しました。
そのうえで、担当者は「結果的に1社になったが、しっかり手続きを踏んで入札を行ったと認識している」と述べ、手続きは適正に行われたという認識を示しました。
一方、出席した議員からは、「国葬」の実施にあたり、国民が黙とうなどの弔意を強制されないよう、政府が自治体などに通知を出すべきだという指摘が相次いだのに対し、担当者は「国がいろいろな文書を出すと誤解を招くおそれもあり、そうした通知は出さない」と述べました。
共産 小池書記局長「納得のいく説明を」
共産党の小池書記局長は記者会見で「政府は『特定の業者に便宜を図った事実は一切ない』と言っているが、国民から見ると疑問がわくだろうし、国民の『国葬』に対する批判的な声に拍車をかけるのではないか。納得のいく説明を求めたい」と述べました。
れいわ 山本代表「法的根拠ないものをごり押し」
安倍元総理大臣の「国葬」について、山本代表は記者会見で「『国葬』という形にするならば、根拠となる法律を国会でつくるしかない」と指摘しました。
そのうえ、「政府が裁量だけでやるのは全くの筋違いで、法的根拠のないものをごり押ししようとしている」と述べ、出席しない考えを示しました。
また、旧統一教会をめぐって、自民党が、党所属の国会議員に教会側との関係を報告させて、今週中に結果を公表するとしていることについて、山本氏は「あくまでも、各議員に点検をお願いするということで、徹底的にうみを出そうという姿勢ではない」と批判しました。
ムラヤマ「桜を見る会」会場の設営業務5年連続で落札
この会社は安倍元総理大臣が主催した「桜を見る会」の会場の設営業務を平成27年から5年連続で落札しています。
今回の入札について岸田総理大臣は4日、「総理大臣経験者の合同葬なども担当していて、日本武道館で事業を担える業者は4社ほどに限られている中で、正式な手続きのもとに落札された」と述べました。
「ムラヤマ」は今回の入札について「通常の企画運営業務のなかの一つとして入札しました。しっかりと業務を遂行したい」と話しています。
また、参列者をバスで送迎する業務の一般競争入札も行われ、4社による競争の結果、東京 新宿区の旅行会社が526万1400円で落札し、2つの業務で合わせて1億8000万円余りとなります。
政府は今回の国葬でおよそ2億5000万円の支出を閣議決定しています。
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