秋田県が公式サイトで公開している175のオープンデータの約4割が、コンピューターでの処理が難しいPDF・文書ファイルのみとなっていることが、秋田魁新報の調べで分かった。このほか表計算用のExcelファイルであっても印刷を前提とした形式などが多く、県庁の「紙文化」の根強さが透けて見える。県は今後、公開データ数を増やしてオープンデータを充実させる考えだが、量だけでなく質の向上が課題だ。
オープンデータは行政などが持つさまざまなデータを公開し、活用を促す取り組み。社会課題解決や経済活性化といった効果が期待されている。2016年施行の官民データ活用推進基本法により、国や地方自治体はオープンデータに取り組むことが義務付けられた。
東京都はIT大手出身の副知事が旗振り役となり、オープンデータの充実や活用例の発信に力を入れている。福井県は公開する約210のデータの大半を、コンピューターで処理しやすいCSVやRDFといったファイル形式に整えている。こうした熱心な地域がある一方、「担当する人的資源がない」「メリットやニーズが不明確」といった理由で取り組みが進んでいない自治体もあり、温度差が大きい。
秋田県のオープンデータは活用が難しいファイル形式が大半を占め、取り組みが遅れている。秋田魁新報が6月中旬、県公式サイトの「オープンデータカタログ」を点検したところ、175のデータのうち、PDF・文書ファイルのみが76(43・4%)に上った。また、PDFより加工がしやすいExcelファイルであっても、印刷用の形式などでコンピューターでの処理に適さないデータが多くあった。
コンピューターで扱いやすいCSVや、GIS(地理情報システム)で活用できるシェープファイルが公開されているデータは「地震被害想定」と「津波浸水想定」の2つだけだった。
また、各データの所管部署がページを更新したり新規作成したりした場合、オープンデータカタログに反映されないため、リンク切れが生じるケースもある。過去の選挙結果のように、オープンデータを表すクレジットが付いているのにカタログに掲載さていないページもあり、管理が十分にできていない。
こうした現状に対し、県庁内部からも疑問の声が上がる。
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