福島第一原子力発電所の事故で各地に避難した人たちが国と東京電力に賠償を求めた集団訴訟で、2審の判断が分かれた国の責任について、最高裁が双方の主張を聞く弁論が15日から始まりました。
夏にも最高裁の統一判断が示される見通しです。
原発事故をめぐり、各地に避難した人などが国と東京電力に賠償を求めている集団訴訟ではこれまでに上告された4件で国の基準を上回る賠償額と東京電力の責任が確定しました。
一方、国の責任については2審の判断が分かれていて、このうち2審で国の責任が認められた千葉県に避難した人たちの訴訟で15日、最高裁の弁論が初めて開かれました。
このなかで住民側は「国は地震調査研究推進本部が平成14年に公表した地震の『長期評価』に基づいて津波対策を指示しなければならなかったのに怠った。浸水対策をさせていれば、事故は防げた」と述べて国に責任があると主張しました。
また、原告の1人で福島県浪江町から千葉県に避難した小丸哲也さん(91)が「原発事故で先祖代々の家も田畑も山林も汚染され、築き上げてきたものを80歳にしてすべて失った。重大事故を起こした国の責任を認めてほしい」と訴えました。
一方、国は「『長期評価』は信頼性が低く、それに基づく試算と実際の津波は全く異なるものだった。津波対策を指示しても事故を防ぐことは不可能だった」として、責任はないと主張しました。
来月にかけて群馬、福島、愛媛の訴訟も弁論が開かれる予定で、国の責任について夏にも最高裁の統一判断が示される見通しです。
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