20世紀に入り1938年(諸説あり)に生まれた蛍光灯は、内側に塗られた蛍光物質に紫外線があたって発光し、赤・緑・青色の光の三原色が重なることで白色光が作られました。電気代が白熱電球よりも割安なため学校やオフィスなどの大きな施設で広く使われました。
20世紀の終わりに大きな転換を与えたのがLEDの発明です。今や照明といえばLEDが主流ですが実用化されるまでには長い時間がかかりました。
1960年代初めにアメリカで赤色LEDが発明されましたが、実用には明るさが足りませんでした。1970年代になると西澤潤一博士が赤色LEDの高輝度化に成功し、実用可能となりました。さらに西澤博士は三原色の一つ緑色のLEDも発明したのです。
白色の光を作るために必要な最後の青色LEDの開発は困難を極め、平成の時代まで待つことになりました。1990年代、ついに青色LEDの発明とその量産技術を作り上げたのが赤﨑勇博士、天野浩博士、中村修二博士の三氏です。2014(平成26)年にノーベル物理学賞が授与され、大きな話題となりました。
光の三原色である赤・緑・青色のLEDがそろったことからLEDで白色電球を作ることができるようになりました。明るい光を放つLEDはそれまでの電球の欠点を克服して、消費電力が少ない上に寿命が長いものとなりました。エネルギー消費を抑えるLED照明は世界中から歓迎され、あっという間に広がり、さまざまな場面で日々の生活の中に溶けこんでいます。夜中でも赤や緑の小さな灯りが部屋の中で光っているのにお気づきですか。すべての物がコンピュータとつながる現代、LEDの点滅はそれぞれの機器が生きているのを示す呼吸ともいえるでしょう。
参考:
谷豊著『LEDのひみつ(学研まんがでよくわかるシリーズ 108)』 学研プラス出版コミュニケーション室
からの記事と詳細 ( 黄昏の街にともる「灯り」に感じるぬくもり。始まりは焚き火から!? - tenki.jp )
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