うそをつく2つの理由
子どもが、うそをつく理由としてまず考えられるのは次の2つです。 【(1)叱られたくないから、うそをつく】 先述の親子の話で考えてみましょう。おもちゃを勝手に持ち出したことについて、子ども自身も「いけないことをしてしまった」と思っています。しかし、「欲しかったから、友達の家から持ってきた」と正直に答えたら怒られるだろうと思い、実際、親はきっと怒るでしょう。そのことを分かっていて、とっさにうそをつくのです。 例えば、幼稚園からもらった書類にジュースをこぼし、ぬらしてしまった子ども。「何でジュースをこぼすの!」と親に問い詰められたとき、「最初からこぼれていたんだ」「弟がこぼした」と言い訳してしまいます。 親は見え透いたうそだと分かるので、ますます頭に血が上ってしまい、「どうしてそんなうそをつくの! うそつきは泥棒の始まりよ!」「そんな子に育てた覚えはない!」とさらに追い打ちをかけるように叱ってしまいます。しかし、こうなると、子どもにとっては逃げ場がなくなってしまい、悪循環に陥るのです。 【(2)強い願望によって、うそをつく】 願望が膨らんで、さも事実のように話すケースです。私は保育園で仕事をしています。休み明けの月曜日、ある子どもが「昨日、おじいちゃんとおばあちゃんとディズニーランドに行ったんだ」と言いました。これは事実でした。 ところが、私が「そうなの。それはよかったね」と返すと、ディズニーランドに行っていない他の子どもも「僕も昨日行ったよ」「私も行った」とうそを言い始めました。このとき、子どもには「自分がうそをついている」という意識はこれっぽっちもなく、「また行ってみたい」という強い思いにより、遠い昔のことが昨日のことにすり替えられ、作り話になっているだけなのです。 では、これら2ケースの対処法について考えてみましょう。 【(1)叱られるのが嫌で、うそをついたとき】 友達のおもちゃを勝手に持ち帰った子の場合は「ママに本当のことを言いなさい。お友達は今頃、きっと、『おもちゃがない』と探しているよ」と言いましょう。決して、鬼のような形相で詰め寄ってはいけません。「真実を話してほしい」と伝えるのです。 子どもが「勝手に持ってきてしまった」と正直に答えたら、「本当のことを話してくれたんだね。でも、友達が『これあげる』と言っていないのに持って帰ることは、絶対にしてはいけないことなんだよ」と話しましょう。 ジュースをこぼした子の場合、頭ごなしに「どうしてこぼすの!」と口に出し、理由を追及しても、子どもには答えようがありません。親としては余計な仕事を増やされて、頭に血が上ってしまうかもしれませんが、その言葉は心の中で叫ぶだけにして、淡々と次のように言いましょう。 「あら、ジュースがこぼれているね。自分で拭いておいてね」 ここで、親が拭いてはいけません。子どもが自分でやってしまった失敗については自己責任で、自分で後始末をさせるのです。これで、次からはこぼさないように気を付けるかもしれません。 【(2)強い願望による妄想のうそをついたとき】 子どもが強い思いから、「昨日、ディズニーランドに行ったんだ」とうそを言ったときは「昨日、ディズニーランドなんか行っていないでしょ! そんなうそをつくんじゃない!」と叱るのではなく、「そうなのね」と軽く言葉を交わしましょう。「それだけ、過去のお出掛けが楽しかったんだ」と思ってあげてください。
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