
横浜地方裁判所で開かれた1審の裁判員裁判で、検察が「計画的で強い殺意に基づく冷酷極まりない犯行だ」として死刑を求刑したのに対し、岩嵜被告は姉妹を殺しておらず、遺体を遺棄もしていないとして無罪を主張しました。
横浜地方裁判所はおととし、被告の犯行と認めたうえで凶器を用いる場合に比べて生命の侵害に対する危険性が異なること、当初から2人を殺害する綿密な計画があったとはいえないこと、これまでの裁判員裁判では単独犯で被害者が複数の殺人事件で、凶器を使っていない事案は死刑や無期懲役になっていないことなどから、懲役23年の判決を言い渡しました。
検察と被告の双方が控訴し、2審の東京高等裁判所は去年、被告の犯行と認定したうえで、量刑に大きな問題があるとして横浜地方裁判所に審理を差し戻しました。
東京高等裁判所が判決で指摘した問題点は、裁判員が量刑を考える際に裁判所が示した資料についてです。
被害者や加害者の数のほか、凶器や計画性の有無などを条件に過去の判決を検索してまとめたものですが、検索条件の設定のしかたが不適切だったとしています。
例えば、1審は「凶器なし」という条件で検索したとみられていますが、2審の判決は相当な力で少なくとも5分程度首を圧迫していることから、凶器を用いた場合に比べて危険性が異なるとはいえないとして、この条件で絞り込むことは不適当だとしています。
こうした条件を変えて検索すると、被害者が2人の殺人事件では親族間の事件以外はすべて死刑か無期懲役になっているということで「検察が死刑を求刑している重大な事件であり、改めて裁判員が参加して適切な資料をもとに量刑を判断すべきだ」として差し戻したのです。
今回のやり直しの裁判では、犯人性は争われず刑の重さのみが焦点になり、さらに重い判決が出される可能性も指摘されています。
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