地中海には「失われた大陸」も、プレートテクトニクスのホットトピックス
地球の地殻はジグソーパズルのピースのようなプレートに分かれていて、常に動いている。私たちはふだん気づかないが、プレートの運動はすばらしい芸術作品を生み出してきた。地球に山と海があり、恐ろしい地震や激しい火山噴火があり、今この瞬間にも新しい陸地が誕生しているのは、プレートがずっと動いてきたからだ。
スケールが大きくてダイナミックなそんなプレートの運動は、多くの研究者を魅了してきた。最近発表された研究結果のうち、なかでも注目の研究結果を紹介しよう。
ひとつめは、地球のプレート運動が約14億5000万年後に幕を閉じるというものだ。膨張した太陽が地球をのみ込むのは約54億年後と考えられているので、それよりもだいぶ前になる。中国地質大学の地質学者である成秋明氏が、30億年前からの地球のマグマ活動の強さのデータを駆使して、プレートの下にあるマントルが冷える速度を推定し、2018年に学術誌「Gondwana Research」に論文を発表した。
論文は論争を呼んだ。一部の専門家は、プレート運動が終わる日を正確には予想できないと主張している。けれども、地球の地質活動がいつかは停止するという点では、科学者たちの意見は基本的に一致している。
では、プレート運動が終わるとき、地球はどんな世界になるのだろう?
「私たちがよく知っているような世界は終わります」
米国地質調査所と共同研究を行っている地球物理学者のケン・ハドナット氏は、その日が来たら、「私たちがよく知っているような世界は終わります」と言う。
地殻のジグソーパズルは完成し、もはやプレートが移動することはない。造山運動は停止するが、地球にはまだ大気があるため、風と波による浸食が山々をなだらかな高原へと変えてゆく。最終的には、平坦になった大陸の大部分が海中に没する。
地震は起こるだろう。とはいえ、マグニチュード7以上の地震は過去のものとなる。火山が残っても、爆発的な噴火はほとんどない。
ちなみに、プレート運動が生じなかった火星には、太陽系最大のオリンポス山(標高2万6000m)など、いくつかの巨大火山がある。プレート運動がないため、1カ所で長期にわたり膨大な量の溶岩が供給されたからだ。
また、現在同様、山脈や盆地は形成されるだろう。プレートの下の部分が剥がれて、高温の下部マントルに落ちてゆき、代わりにマントル物質が上昇して地殻を押し上げるからだ。その際、小さな地震が起きたり、マグマポケットができたりすることもある。
「金星の表面は、そのようにして形成されました」と、米テキサス大学ダラス校のプレートテクトニクスの専門家ロバート・スターン氏は言う。金星もまた、プレート運動が十分に機能しなかった惑星だ。
けれどもやがて、地球の温度がさらに下がれば、地球最後の火山の活動も終わる。マントルは冷たくなり、地球は「水星のような死んだ惑星になります」とスターン氏は言う。
「プレート運動が終わった後に起こることは多くありません」とハドナット氏は言う。地球は平らで退屈な場所になり、ついには膨れ上がった太陽にのみ込まれてしまう。
プレート運動が終わる日については、3億5000万年後や50億年後など、これまでに様々な主張がなされてきた。スターン氏は、「プレート運動はいつか終わるものであり、それがいつやってくるのかというのはすばらしい問題提起です」と言う。とはいえスターン氏は、論文の推論には基本的に反対している。「プレート運動が終わる時期の予想は、どんなものも信じていません」
未来の地球物理現象を予想することは、「現時点での人類の能力をはるかに超えている」とハドナット氏も言う。それでも氏は、研究は有益だと強調する。これらの論文はいずれも完全ではないものの、問題の複雑さと、私たちの知識と実際の地球とのギャップを浮き彫りにするからだ。
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